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カレー沢薫の時流漂流 第305回 ステマお願いしゃっす! ※この記事は原稿料を貰って書いています。

マイナビニュース / 2024年6月25日 15時30分

そこに胸やケツの間に金を挟まれたストリップダンサーたちの忖度しかない意見が紛れ込むと、消費者は商品に対し正確な判断ができなくなってしまう。

詐欺とはまた違うため、やってはいけないことと知らずにステマに加担してしまう者も多く、「ステマ騒動」は定期的に起こっていたのだが、特に罰則があるわけでもなかった。

しかしついに2023年にステマは規制され、今年6月、初の行政処分が行われることとなった。

初の行政処分となったのは何と「病院」である。

都内の某病院がインフルエンザワクチンを打ちにきた患者に対し、500円割引する代わりにグーグルマップの評価を☆4か5にしてくれ、と依頼をしたそうだ。

その結果269件の投稿があり、そのほとんどが☆5、同院の評価は「☆3.2」まで上昇したそうだ。

269件近い☆5評価を集めて☆3.2止まりとはどういうことだ、と思うかもしれないが、それ以前の病院の評価は「☆1.3」だったそうだ。患者の懐に500円をねじ込んででも評価を上げたくなる気持ちもわかるが、その結果☆1.3でも与えすぎなヤバ院であると全国に知らしめる結果となってしまった。

飲食店であれば、客前でバイトを叱責する店主の唾が粉チーズより降り注いでくる長方形パスタに1300円を支払うだけの被害で済むかもしれないが、病院という健康や命に直結する施設でステマが行われているのはまずいとして、今回初の行政処分となったのかもしれない。
○へへ、うちらの仲じゃねえですか、お代は結構ですぜ旦那。←これは?

しかし、ホットペーパーで予約した美容院などが「レビューをしてくれたら今度シャンプー奢る」など、対価と引き換えにレビューを促してくることは今でも普通にある。

これもステマに当たるのではないかと思うが、ステマ規制のひどく難しい内容をよく読むと、どうも「広告主が表示内容の決定に関与した」というのが基準になっているようだ。

つまり病院も、☆の数を指定せず「評価してくれ」だけであれば処分はされなかったかもしれない。

それだと、500円もらって上で星☆1をつける、☆0.3以下のクソ客ばかりだった場合さらに評価を下げることになってしまうが、心理として何かもらっていたら☆を1個ぐらい増やしてしまいそうなので、やっぱり500円やシャンプーだけでも、レビューの信憑性を損ねる行為といえなくもない。

結局のところ美容院のシャンプーサービスはステマに当たるのだろうか? 今後は対価を払ってレビューを書かせる行為自体が禁止とみなされたり、もしくは「このレビューは次回来店時からあげを4つ与えられる約束のもと書かれています」と明記されるようになるかもしれない。
(カレー沢薫)



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