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ディスプレイ国際会議「SID/Display Week 2024」 第2回 ARグラスにおける究極のエンジンを目指す有機半導体レーザー

マイナビニュース / 2024年6月26日 12時38分

5月にSan Joseで開催されたSID/DW2024では、基調講演の2番手としてMETA Reality LabsのVice PresidentであるJason Hartlove氏が講演を行った。Jason Hartlove氏は昨年2023年の4月に量子ドット材料メーカNanosysのCEOからMETA Reality Labsに転身し、ディスプレーデバイスを駆使するセットメーカーとしての新たな視点で講演を行った。基本的にはBarry Silverstein氏の内容を踏襲しているが、究極のディスプレーエンジンとしてのレーザーに関しては未だ時間がかかるとのトーンである。マイクロLEDは量子ドットとの組み合わせで高輝度化や広色域化で大きな期待が寄せられており、まずはマイクロLEDの実用化と普及に向けた取り組みが必要である。今年のSID Symposiumの会議でもマイクロLEDに関して多くの発表がなされていた。

Jason Hartlove氏は、究極のレーザー光源の必要性は認めながら、AIの重要性も強調した。コヒーレントなレーザー光はホログラフィック映像の生成に最適である。将来のARグラスに映し出される仮想映像は、単に空間に映し出される映像ではなく奥行き感を持った3D映像になっていく。立体的な空間映像では、その映像をあたかも目の前にある実物のように操れることが重要である、その為には瞳や指先の動きを捉えるセンサーと共に仮想映像と人間の感覚を的確にマッチングさせるAIのサポートも必須となる。

Barry Silverstein氏が1月に示したチャート(図2の左上)では、現状ではマイクロLEDに期待がかかっているが、将来はレーザーが究極のディスプレーエンジンとなる。現在、市場に入りつつあるマイクロOLEDは輝度が足りないという認識であり、この図には描かれていない。5月に講演したJason Hartlove氏は、レーザーの採用には未だ時間がかかるとの認識で、ロードマップ図の“Final Solution”の表現を時間軸で後ろにずらしていた。当面はマイクロLEDの実用化が先であるという認識である。代わりに、Jason Hartlove氏は、昨年秋に発表したRay-Banを引き合いにしてAIが重要であることを強調した。Ray-Banは、仮想の映像を映し出す機能を持たないが、AIによって現実世界の映像を的確に認識することに有用であり、将来のARグラスではAIが仮想映像の表示もサポートして現実世界との融合が進んでいくであろう。
有機半導体レーザーの可能性

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