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ソフトバンク、HAPSと地上基地局との周波数共用を実現する技術実証に成功

マイナビニュース / 2024年6月27日 9時53分

画像提供:マイナビニュース

ソフトバンクは6月26日、成層圏から通信サービスを提供可能なHAPS(High Altitude Platform Station:高高度プラットフォーム)向けのシリンダーアンテナを用いて、北海道大樹町多目的航空公園で実証実験を実施し、HAPSと地上基地局との間で周波数共用を実現するヌルフォーミング技術の実証に成功したことを発表した。

なお、今回の実証実験で実施した内容の一部は、情報通信研究機構(NICT)の「Beyond 5G 研究開発促進事業」の委託研究課題として、2022年に採択された「上空プラットフォームにおけるCPSを活用した動的エリア最適化技術」(JPJ012368C05701)に基づくもの。

○実証の背景

同社はHAPSと地上基地局が同一周波数帯の電波を利用して通信サービスの展開を可能にする、周波数共用に関する研究開発を進める。

HAPSと地上基地局のそれぞれに専用の周波数を割り当てると、電波の干渉が発生せずに高品質な通信ネットワークを提供できるが、これは有限な資源である複数の周波数帯の電波を利用することになる。

これに対しソフトバンクは、HAPSと通信デバイスとの間でデータの送受信を担う「サービスリンク」向けのアンテナとしてシリンダーアンテナの活用を検討し、特定の方向に対する電波の放射を抑制して電波の干渉を防ぐ、ヌルフォーミング技術の開発を進める。電波の干渉を防ぐことでHAPSと地上基地局間での周波数共用技術を実現し、電波の有効利用を図るとのことだ。
○実証実験の概要

実証実験では、シリンダー形状の多素子フェーズドアレイアンテナ「シリンダーアンテナ」を搭載した高高度係留気球基地局(上空基地局)の通信エリア内に地上基地局を設置して、上空基地局の通信エリア内にある携帯端末Aと、地上基地局の通信エリア内にある携帯端末Bを地理的に近い場所に配置。上空基地局と地上基地局で同一の周波数帯の電波を利用し、ヌルフォーミング技術の適用有無によって携帯端末AとBの通信速度を評価した。

また、ヌルフォーミング技術の適用有無による通信速度の比較においては、上空基地局からの電波を停止し、地上基地局と電波の干渉が発生しない環境下で携帯端末Bの通信速度を評価している。
○実証実験の結果

実証の結果、ヌルフォーミング技術を適用することで、携帯端末Aの通信速度を低下させることなく携帯端末Bの通信速度の改善を実現できたとのことだ。さらに、ヌルフォーミング技術により、両基地局間の電波の干渉を低減しながら、携帯端末Bにおいて上空基地局の電波を停止して電波の干渉が発生しない環境下と同等の通信速度であることを確認している。

同社は、実際の屋外環境でヌルフォーミング技術による上空基地局と地上基地局間の周波数共用の実現性および有効性を確認できたことは、HAPSにおいて既存基地局と電波の有効利用を実現する上で大きな成果だとしている。
(熊谷知泰)

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