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H3ロケット3号機現地取材 第1回 もはや「試験機」ではない3号機、打ち上げは天候不良で1日延期へ

マイナビニュース / 2024年6月29日 8時0分

3号機の機体構成は、ブースタ2本を使用する「H3-22S」形態で、これは前の2機と同じ。一方で、少し異なっているのは第1段エンジン「LE-9」だ。2号機では、初号機で使われたタイプ1と、一部を改修したタイプ1Aを1基ずつ搭載していたが、3号機は2基ともタイプ1Aが使われる。

注目したいのは、今回初めて、LE-9のスロットリングを行うということだ。スロットリングというのは、エンジンの推力を100%から落として使うことである。エンジンの推力が一定の場合、推進剤が減ってくると機体の加速度がどんどん増加してしまう。これは衛星にとって大きな負荷なので、推力を絞って加速度の増加を抑えるというわけだ。

今回の打ち上げでは、LE-9の燃焼フェーズにおいて、最後の約20秒間だけ、推力を約66%に絞るという。有田プロマネによれば、「世界標準だと5.5G程度までかかるロケットが多いが、このスロットリングにより、今回は4Gちょっとまで抑えられる」そうだ。

当初、H3ロケットの2号機はだいち4号を搭載し、ブースタ無しの「H3-30S」形態で打ち上げる計画だった。スロットリングはもともと、H3-30Sでは必須の機能。H-IIAの半額という大きな目標を実現するのはH3-30Sであり、有田プロマネが冒頭で述べた「やるべきこと」の1つだ。その技術を今回、3号機で飛行実証する。

今回も気がかりなのは天候

H3ロケット3号機の新たな打ち上げ日は7月1日。打ち上げの時刻は変わらず、12時6分42秒~12時19分34秒のままだ。機体の準備作業は全て順調に進んでおり、今後、6月30日の20時30分より機体移動を行い、射点にその姿を現す予定だ。

今回、延期となった理由は天候の悪化。当初、機体移動を行う予定だった29日は、終日、発雷の可能性があった。また打ち上げ日だった30日は、上空の高層に氷結層が発生する恐れがあった。この2点の問題から、30日の打ち上げは見送る判断となった。

ただ、新たに打ち上げ予定日となった7月1日も、風が強いのは気がかりなところ。今のところ、打ち上げに支障は無いとみられているものの、JAXAは29日以降、天候状況を再度判断するとしている。
(大塚実)



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