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大阪公大、光渦レーザーで磁性微粒子を高精度に印刷する技術を開発

マイナビニュース / 2024年7月2日 17時38分

また電子線を照射したところ、結晶格子に特徴的な回折パターンが観測されたことから、コアはフェライト単結晶であることが解明された。さらに、コアの電子顕微鏡観察が行われた結果、ねじれた構造であることが突き止められた。光渦の螺旋波面の回転方向を逆にするとコアのねじれ方向が反転することから、照射する光渦によってコアのねじれ方向の制御が可能なことも明らかにされた。

次に、光渦によってフェライトの結晶化が起こるメカニズムを解明するため、秒間100万フレームのハイスピードカメラを用いて、液滴の吐出過程の観察が行われた。液膜の変形からバブルのサイズを予測し、液膜内の圧力の時間変化を調べたところ、バブルの膨張と収縮に伴い、最大でサブメガパスカル(10万Pa=大気圧の100倍)の内向きの圧力がかかることがわかった。

続いて、温度上昇の予測を行うと、瞬間的に1000℃以上の温度に達することが判明。この高温高圧条件により、フェライトナノ粒子が圧縮されて単結晶になることが考えられるという。また、単結晶化の過程で光渦の「軌道角運動量」が大きく寄与し、光渦特有のねじり力が働くことで、ねじれた単結晶が印刷されることも突き止められた。なお軌道角運動量とは、1波長あたりの螺旋波面の巻き数に対して定義される運動量のことで、巻き数に比例したねじり力が物質に与えられるという特徴がある。

今回の研究成果は、微粒子のパターニングのみならず、単結晶合成に利用できる可能性が秘められており、新規材料開発への展開が期待されるとする。研究チームは今後、さまざまな種類の微粒子に応用すると同時に、ねじれた結晶の形成メカニズムと機能についても解明していく予定としている。
(波留久泉)



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