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徳島大など、ニワトリ胚の雌雄を卵の外から早期に判別可能な方法を開発

マイナビニュース / 2024年7月2日 18時49分

ニワトリの場合、最短で孵卵7日目の段階で、オス胚が黒色の目であるのに対し、メス胚は無色透明な目となるため、その差を容易に見分けることが可能だという。この目の色の違いは、暗所において卵の殻の外からLEDライトなどを照射すると、殻を透過した光によって光学的に検出できるため、卵の殻を割ることなく雌雄を判別することが可能だ。そのため、この手法を採卵鶏の生産に活用すれば、ふ化する前の段階で「将来オスのひよこが生まれる卵」を選別できるため、オスひよこを殺処分することなく、卵を産むメスニワトリのみを生産することができる。

なお、メス胚の段階では目の色は透明だが、成長したニワトリにおいては赤色の目となり、野生型のニワトリと同じように健康に成長し、産卵が可能であることが確認されているとした。

研究チームは今回の手法の特徴として、以下の5点が挙げられるとする。

ニワトリでは孵卵7日目という胚発生の極めて早い段階で雌雄判別が可能であること
非遺伝子組換えの手法であること
卵の殻に穴を開けたりすることなく非侵襲的に判別できること
組織などのサンプリングや酵素反応などの作業を必要とせず簡便であること
羽毛の色など、特定の系統しか持たない特徴を利用しておらず、さまざまなニワトリ系統に適用できること

これらの特徴は、アニマルウェルフェアという社会課題に配慮しつつ、同時に産業レベルでの大量生産体制に応える形で社会実装を図る際に、極めて重要なものになるという。また、ふ化する前にオスと判別された卵は、鶏卵でのワクチン生産に利用するなど、これまでの高タンパク飼料としての利用以外にも有効活用が可能になるとした。

なお研究チームでは、ニワトリのゲノム編集技術によって誕生したこの新しい手法を活用し、社会課題となっているオスひよこの殺処分問題を解決し、アニマルウェルウェアの推進に貢献することを目指すとしている。
(波留久泉)



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