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64年前に南北アメリカを縦断したピンクのランクルに遭遇! レストア秘話を聞く

マイナビニュース / 2024年7月9日 11時0分

画像提供:マイナビニュース

「東京アウトドアショー2024」の会場で、かなり目立つピンク色の「ランドクルーザー」に遭遇した。このクルマ、話を聞いてみると、64年も前に前人未到の大冒険を成し遂げた伝説的なランクルだった。会場では、レストアを担当した宮城トヨタ自動車の小幡さんに貴重なお話を聞くことができた。

地球縦断を敢行! やっぱりランクルは壊れない

こちらの1960年式「FJ28」ランドクルーザーは「さくら」という名前。1960年(昭和35年)に南北アメリカ大陸の縦断を成し遂げた伝説的なクルマだ。この大それた企画を企てたのは、宮城県仙台市に本社を置く新聞社「河北新報社」。当時の編集局長である一力一夫さん率いる4人の「地球縦断隊」は、3月29日から117日間の冒険を経て総走行距離3万2,212kmを走り切った。

「さくら」は宮城トヨタ自動車が2017年にレストアを実施し、展示・管理をしている。会場ではレストアに携わった同社 MTG店舗支援部 参事の小幡憲司さんに話を聞くことができた。

まず、なぜランクルによる地球縦断という企てが持ち上がったのか。小幡さんによると、1960年当時、日本製の工業品としては高性能なカメラが世界的に有名だったものの、今では輸出産業の花形であるクルマについては「まだまだ」だった。ランクルの性能を信じて敢行した地球縦断の企てには、日本車の能力を世界に証明し、貿易を振興したいという願いが込められていたようだ。

エンジンはサビだらけ! どうやって復活させた?

大仕事を終えた「さくら」はその後、河北新報社に展示してあったそうだが、宮城トヨタ自動車が2017年にレストアを実施した。そのころの「さくら」は走行不能どころか、クルマの外側にも内側にも大小多数の損傷、亀裂が入った状態で、エンジンの内部はサビで埋まっていたそう。そんな「さくら」に、なるべく元の姿を残したまま走行可能な状態に復元する「歴史を残すレストア」を実施したという。「ただただ価値を上げるためだけのレストアはしたくないんです」というのが小幡さんの言葉。約95%はレストア前の部品を残しているというからすごい。

サビだらけのエンジンは分解せずにレストアを行ったという。というのも、いったん分解してしまうと、もう調達できない部品があったりもするので、再び組むことができなくなるということが予想できたからだ。小幡さんはガソリンに「2サイクルエンジンオイル」を混ぜるという手法を用いてエンジンを復活させた。

過酷な地球縦断の後、何十年もそのまま置いてあった1960年式ランドクルーザーをレストアすること自体も、「さくら」が成し遂げた偉業に負けず劣らず冒険的だと思うのだが、「昭和の生まれですから、気合と根性でやりとげました」と小幡さんは話していた。

宮城県・松島出身の小幡さんは仙台市にある高校に通っていたそうだが、当時、通学路の途中には河北新報社があり、1階に展示してあったピンク色のランドクルーザー「さくら」を実際にその目で見ていたという。そんな小幡さんが宮城トヨタ自動車に入社し、高校生時代の顔なじみである「さくら」のレストアを担当することになったというのは、なんとも数奇なめぐりあわせだ。
(藤田真吾)

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