中小企業で働く20代、3割が「目標になる人がいない」…キャリアビジョンが見えない理由とは?
マイナビニュース / 2024年7月5日 16時44分
勤務先のキャリア形成に役立つ制度や体制が整備されているかどうかについて、自身のキャリアビジョンが明確である人々のうち、約7割が整備されていると感じている一方で、キャリアビジョンが見えていない人々の約8割が、制度や体制の整備が不十分だと感じているようだ。
また、勤務先のキャリア形成に満足しているかについて聞くと、特に「キャリアビジョンを描くのに役立ったもの・こと」として最も多かったのは「上司との面談」であった。会社風土や普段のコミュニケーションによる上司との心理的距離の近さのほか、人事考課のタイミングなど定期的な面談機会があることで、キャリアについても上司に相談しやすい環境がつくられていることがわかった。また、研修や資格取得の支援、給与決定方法についても具体的な取り組みや基準が評価され、社員のリスキリングや給与面での満足度が高いことが示された。
あしたのチーム 代表取締役社長 CEOの赤羽博行氏は、次のようにコメントしている。『かつて、若い会社員は「あの先輩のように仕事ができるようになりたい」とか「上司の年齢になる頃には自分も同じようにクルマを買
いたい」などと、会社で活躍する先輩に憧れ、それにならって将来の目標を想い描くことがよくあったように思います。今回の調査で「20 代社員がキャリアの参考や目標にしたいと思う先輩や上司が社内に『1人もいない』が最多」とは、少々寂しく感じます。しかし、これは必ずしも“社内にかっこいい先輩がいない”ということではありません。20代社員は多様な価値観を尊重することが当たり前で育った世代であり、また働き方や生活の価値観はコロナ禍前後でも大きく転換しているくらいなので、先輩や上司の時代とはキャリアに関しての前提が違い過ぎて参考にならないというのは当然のことです。』
『これから企業側に求められることは、社員一人ひとりのキャリアに対する考え方や希望に向き合えるキャリア支援ができる管理職を育成すること、面談の頻度を高めていくことを通じて、管理職が部下の成長を支援し、市場価値を上げていくことです。今後更に人手不足が加速していく中、人材を確保して企業成長するためには「ここで働きたい」と思ってもらえるようにキャリア支援ができること、個人の成長機会を提供するための人事の仕組みづくりが不可欠ではないでしょうか。』
(早川厚志)
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