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名大がMg挿入GaN型超格子の形成に成功、P型GaNデバイスの性能向上に期待

マイナビニュース / 2024年7月5日 18時58分

また、Mg挿入層が母材原子層に垂直な一軸圧縮ひずみを誘発する結果、Mg挿入GaN型超格子内のGaN層は、薄膜材料として記録された中で最も高いものの1つである10%以上の超高弾性ひずみ(20GPa以上の弾性応力に相当)を示したともしており、密度汎関数理論の結果、一軸圧縮ひずみがGaNの禁制帯幅を増加させることを示したとする。これは、圧縮方向に沿った正孔の移動度を増加させ、P型GaNのその方向における導電率の向上につながり、実際のテラヘルツ時間領域エリプソメトリ(THz-TDE)による測定でも導電率が6倍に向上したことを確認したとする。

さらに、低ドーピングのN型GaN表面にMiGs構造を構築したところ、ショットキー障壁の高さが上昇することも確認。研究グループでは、二次元Mg(2D-Mg)による空間負電荷の誘発を示すものだと説明しているほか、GaN表面のMiGs構造は、P型GaNのオーミック接触を実現するのにも役立つことを確認したともしている。

なお、研究グループでは今回の構造の発見と2D-Mgドーピングメカニズムの発見について、金属-半導体超格子のバンド構造や伝導特性の新しいプラットフォームを提供し、半導体のドーピングメカニズムや材料科学の基礎研究に新しいテーマをもたらすものだとしているほか、簡単で低コストな合成方法によりGaNベースの電子デバイスの性能を向上させることが可能なため、産業的価値も期待されるとしており、今後は、自然界で自発的に形成されたMiGs構造の初期観測から、均一に分布するMiGs構造の精密な人工合成へと研究を進めることが課題になってくるとしている。
(波留久泉)



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