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OIST、アリは仲間の負傷を外科的手術で治療し高い生存率で救うことを発見

マイナビニュース / 2024年7月8日 14時44分

脛節の損傷で感染が早まるのであれば、脚を全部切断するのが最も適切であるように思えるが、実際は、アリが脚を切断するスピードによって、対応に差が生まれることも判明。アリが脚を切断するには少なくとも40分かかる。実験によると、脛節を損傷した場合、感染後直ちに脚を切断しなければ、アリは生存できない。アリは有害な細菌の拡散を防ぐために脚を素早く切断できないため、脛節の傷の洗浄に時間をかけることで、致死的な感染の確率を抑えようとしているという。アリが傷口を診断し、感染しているか、無菌であるかを確認し、それに応じて他の個体が長時間にわたって治療するということは、人間の医療システムに匹敵する唯一の医療システムであることがいえるとした。

このように行動が洗練されていることを考慮し、次に、フロリダオオアリたちがどのようにしてこのような精密な治療が行えるのかが調べられた。すると、すべて生まれつきの行動であることがわかったとする。アリの行動は個体の年齢によって変化するが、学習によるものであるという証拠はほとんど見つかっていなかったとした。

今回の研究は、アリと人間の医学の類似性をさらに深めるものだとする。感染した手足の切断はかつては好ましい治療法だったが、抗生物質に取って代わられた。研究で、異なる種のアリも戦場で負傷したアリの治療に同様の戦略を用いていることが示されている。

今回の国際共同研究チームの一員であり、3Dイメージングとアリの解剖学の専門家であるエコノモ教授は、今回の研究成果に対し、「このことは、社会を形成する動物が、人間特有のものと考えられてきた複雑な協力行動(今回の場合は医療行為)を進化させてきたことが示されている」とコメントしている。
(波留久泉)



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