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東大など、海洋域マントルにおける「小スケール対流」の物理的証拠を発見

マイナビニュース / 2024年7月8日 16時19分

また、発見されたザクロ石分解物中にはスピネルが包有されており、ザクロ石分解物周囲はカンラン石が多く、直方輝石や単斜輝石が少ないことが観察された。その組織的な特徴から、マントル捕獲岩が圧力上昇=下降運動を経験し、スピネル+直方輝石+単斜輝石→カンラン石+ザクロ石という鉱物相変化が起こったことが検証された。

その一方で、同岩石サンプルの直方輝石には、元素拡散に伴う粒子中心から端に向かう化学組成変化が認められたという。その化学組成変化は、温度-圧力変化に応答し、鉱物が化学的平衡を保つために連続的に起こったものであり、元素拡散モデリングを適用することで、0.24cm~0.6cm/年の圧力減少=上昇運動速度が推定された。そして、マントル捕獲岩がマグマによってアイツタキ島に運ばれる途中で、急激な圧力減少を経験することで細粒鉱物集合体に分解してしまったということが解明された。

研究チームは以上の結果から、太平洋プレートが形成されて1億年ほど経過した海洋マントルでは小スケール対流が起こっており、その下降運動と上昇運動が今回の研究で使用されたマントル捕獲岩に記録されたことが確認されたとする。そして今回の研究を通して、海洋マントルにおける小スケール対流が検出されたことにより、その対流開始時期が海洋プレート形成後1億年以前であることがわかるため、地球冷却モデルの高精度化への貢献が期待されるとしている。
(波留久泉)



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