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東工大など、中温で高性能な燃料電池を低コストで製造可能にする物質を発見

マイナビニュース / 2024年7月9日 18時25分

また今回の研究により、新物質群(2)は湿潤雰囲気で高い電気伝導度を示すことが判明。このことから、新物質(1)と同様に、残りのBa5R2Al2SnO13(R=Gd,Dy,Ho,Y,Tm,Yb)も高H+伝導体であることが示唆され、H+伝導体の新物質群が見出されたと考えられるとした。

中温で高い伝導度と高い化学的安定性を示す新物質(1)を電解質に用いたプロトンセラミック燃料電池を作製できれば、現在実用化されている高分子燃料電池で使われている、白金が不要になる。また従来のセラミック固体電解質「YSZ」よりも動作温度を低くでき、耐熱材料も不要となる。こうした理由から、燃料電池の製造コストを大幅な削減が期待されるとした。高H+伝導体の新物質(1)は、高性能燃料電池以外にも、水素ポンプ、水素センサなどへの応用も見込まれている。こうした点から、今回の研究成果には、新しいクリーンエネルギー技術と持続可能な社会の実現に貢献し、エネルギー・環境問題を解決するという社会的インパクトがあるといえる。

今回の研究により、新物質(1)が完全水和により、従来のH+伝導体の設計戦略である化学置換を超える性能が出せることが実証された。今後、新物質(1)などの本質的な酸素空孔を持つ材料の研究開発が活発になると考えられ、同時に新物質(1)を用いた電気化学デバイスの開発もされるだろうとした。また、今回の研究では、六方PROの新物質群(2)も創製・発見され、新規H+伝導体であることが示唆されたため、今後、Ba5R2Al2SnO13の基礎的および応用的な研究も進められるだろうとしている。
(波留久泉)



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