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ネットワークの超基本! エンジニア1年目の教科書 第15回 【OSI参照モデル】上位層の役割

マイナビニュース / 2024年7月10日 7時0分

文字列の入出力のみで成り立つアプリケーションもあれば、多くの機能を組み合わせたものもあります。表示する情報が多く、一度に画面上表示しきれないという場合は、改ページやスクロール機能を使用して表示することも必要になります。これらの機能を定義し、サービスをユーザに利用し易くすることも、アプリケーション層の役割として挙げられます。

ユーザインターフェイスの種類には大きく「コマンドラインインターフェイス」と「グラフィカルユーザインターフェイス」があります。その違いを下図で確認しておきましょう。

(1)コマンドラインインターフェイス

(2)グラフィカルユーザインターフェイス

TCP/IPのアプリケーション層

ここまで紹介したOSI参照モデルの上位3階層の役割をまとめ、一手に担っているのがTCP/IPのアプリケーション層です。ユーザに適切な通信サービスを提供するため、次のような3種類の動作を行います。

・ユーザから適切な情報を取り交わす一方、宛先側のアプリケーションとも適切な情報を取り交わす
・送信元と宛先の間で取り交わす情報を正しく区別するよう、データ形式を定義する
・宛先の機器とのセッション(会話)の開始から終了までの流れを適切に管理する

「TCP/IP」のアプリケーションは、トランスポート層にTCPを使用することでセッション層の役割を軽減することもできます。

ただし、TCPの機能よりも厳密なセッション管理を行いたい場合や、通信処理を高速化するためにトランスポート層でUDPを使用したい場合は、アプリケーションの動作の中でセッション管理を行うことになります。

TCP/IPのアプリケーション層プロトコルは、こういった動作を正しく行うため、交換されるデータの形式や内容、データ交換の手順やルール、そしてユーザから受けるべき指示について定義されています。代表的なものについては、そのいくつかを今後の連載で取り上げていきます。 
まとめ

・OSI参照モデルの上位3層の役割は、TCP/IPでは一つのアプリケーション層として定義される
・「セッション層」は、サービスの開始から継続、終了までの手順を提供する
・「プレゼンテーション層」は、アプリケーションで扱うデータの形式を定義する
・「アプリケーション層」は、ユーザインターフェイスによる情報の入出力、その使い方を定義する

次回は、実際の通信動作の中で、ここまでの連載で紹介してきた各階層がどのように連携しているか、その全体像をについて紹介します。

○髙橋 真樹(たかはし まさき)

ネットワンシステムズ株式会社
ビジネス開発本部イノベーション推進部ネットワークアカデミーチーム所属
1995年ネットワンシステムズ入社。前職ではシステム開発に携わっていたが、入社後は ネットワークインフラの構築業務を経て現在の技術インストラクター業務に就く。長年ネットワークエンジニアの育成を担当しており、シスコシステムズ社の認定インストラクターとしてCCSI Excellence Awardおよび Contribution Awardの受賞経験あり。近年はネットワークに加え、IoTや仮想化、自動化などのカリキュラム設計も担当している。
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