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理研など、種類が異なる冬眠の仕組みをデータと数学を用いて解明

マイナビニュース / 2024年7月10日 15時54分

次に、上述の数百日の周期は、ジュウサンセンジリスなど、概年リズムを持つ義務的冬眠動物が、実際に冬眠を行う年単位の周期と関係し得るのかを調べるため、同リスの体温データセットを再現する数理モデルを同様に探索することにしたという。

すると、周波数変調モデルがジュウサンセンジリスの冬眠の体温データも再現できることが判明。さらに、同数理モデルから推定された長い周期は、ジュウサンセンジリスが一定の環境下で冬眠を繰り返した際の日数と相関していたとした。つまり、この長い周期は冬眠の概年リズムの周期を表している可能性があることがわかったのである。

今回の研究成果は、実際の体温データと数理モデルからボトムアップのアプローチを用い、複数のほ乳類種において、冬眠中の大きな体温変動の背後には「周波数変調」というシンプルな共通の原理が存在することが実証されたもの。

また今回の研究は、今後、さまざまな動物がどのようにして冬眠するのかを比べたり、冬眠の仕組みに迫ったりする上での手掛かりになるという。具体的には、体内の遺伝子やタンパク質が変化した個体を冬眠させた際に、今回の研究で見出された数理モデルに含まれる、細かな設定(短い周期や長い周期など)の値がどのように変化するのかを調べることが可能になるとする。これにより、冬眠の仕組みに関わる遺伝子やタンパク質を発見したり、それらの働きを理解したりすることが期待できるとしている。

さらに、今回の研究では対象としていない、大型のヒグマやツキノワグマなど、他にも冬眠する動物はまだいるため、それらの動物の冬眠時の体温変動パターンを調べる上でも、今回用いられたアプローチが有用かどうかの検証も興味深い課題とした。

今後、さらに研究を進めることで、冬眠中に体内でどのようなことが起こっているのか、どうやって冬眠するように進化したのかが解明されることが期待されるとしている。
(波留久泉)



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