『魔改造の夜』を制したスズキが技術開発の方針発表! 車は100kg軽量化?
マイナビニュース / 2024年7月18日 7時30分
例えば、ライバルとなるクルマに負けないために付けているような、ある意味では無駄な部品は、クルマを軽くするため、取り外してしまうことを検討してみてもいいのでは? というような考え方らしい。「樹脂(車内の樹脂トリム)を取っちゃえ!」とか、「バッテリーを取ってもいいのでは?」といったようなことを、社長自らが技術陣に提案しているそうだ。
必要最低限のEVをスズキが作る?
クルマの電動化については、国や地域によって電源構成が異なる現状と未来予測を踏まえ、EV、ハイブリッド車(HV)、カーボンニュートラル燃料で走るクルマなど、ラインアップのマルチパスウェイ化を進めることが不可欠とする。
非化石エネルギー/再生可能エネルギーの電源構成に占める割合が75%を超えない市場では、今後もHVが主力になるというのがスズキの見方。例えば日本では、2035年に新車販売の7割がHV、3割がEVになると同社は予測する。スズキのHVは現状、12Vのバッテリーを使ったマイルドハイブリッド車(MHEV)が主流だが、今後は48Vバッテリーを用いた「スーパーエネチャージ」を開発していくとのことだ。
スズキが作るEVについても楽しみになってきた。鈴木社長は前提として、「例えば通勤で使うクルマは、スズキの社員でも1日に20km走るかどうか。1日のうち8時間は(勤務先の)駐車場に止まっている。ガソリン車は有能すぎて、満タンにすれば500kmでも走れるけれど、それと同じ性能が(EVでも)欲しいと思うのはどうなのか。100km走れば十分なのでは」とする。休日に遠出したり、親族が集まるなどして多人数で移動したくなったりすれば、そういうクルマを借りればいい。「CASEが進めば、(借りるクルマが)自動運転で家の前まで」来てくれるのだから、と鈴木社長は語る。こちらもずいぶん、進んだモノの考え方だ。
「こんなのが欲しかったんだと言われるクルマを作りたい」「クルマは非常に高価になっているが、(例えば装備について)本当に必要なのかということを、お客様とも対話していかなければ」「うちの役員にもよく言うんですけど、リアワイパー、本当に使ってますか?」などなど、鈴木社長から面白い発言が次々に飛び出したスズキの技術説明会。これにはおそらく、社内向けに、クルマづくりを抜本的に再考していこうというメッセージを送りたいという意図もあるのでは……。そんな気がするイベントだった。
(藤田真吾)
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