1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

永瀬九段の王座戦リベンジが決定!! 前期はなぜ勝てなかったのか!? あの戦いを藤井猛九段が振り返る

マイナビニュース / 2024年7月23日 11時35分

―自然な△3一歩でよしと言われていたところ、永瀬王座も手が見えるがゆえに、△3一歩以下自信のない順が見えてしまった。

「そうですね。△3一歩は▲4三銀△同金▲3二銀っていうすごい難しい手があって、それを解決できないから△3一歩じゃなくて△4一飛と打ったんです。これは難しいですよ。ただどうしても見ている側は評価値を見ているから、大逆転だって話になってしまいました。△3一歩▲4三銀△同金▲3二銀には一回△3九飛と打って、仮に▲5九香と香車を使ったら、△4二金と引いて▲3一飛成に△4一歩と打てばいいんですよ。このとき香車が持ち駒にないと寄らないから。だから△3九飛と打ったときに、角合しなきゃいけないんですよね。しかし角を使ってくれたら、△4二銀と打って、▲4三銀成は詰めろじゃないから、そこで詰めろをかければ後手勝ちです。合駒の種類によって、受け方を変えるということで、時間があれば読める順ですけど、残り数分ではちょっと難しいですよね」

―これもやはり、楽な将棋ではなかったということですね。

「ええ。ただここに至るまでずっと会心の指し手が続いていたから、いくら難しくても、流れは永瀬王座が勝つはずの将棋っていう気はしましたね」
○常時8割5分くらいっておかしいですからね……

―その流れが第4局にも再び現れたようにも思います。

「そうですね。これはもう、実力とかなんとかって問題じゃないです。これは内容的には永瀬王座の会心の内容ですものね。勝敗だけがどうしても伴いませんでした。▲5三馬はちょっと残念な一手になってしまいましたね。これは僕が同時進行で解説してたんですけど、びっくりしました。これは本人も狐につままれたようなことで、意図しない手をなぜか指しちゃったって感じですね。まあ仕方ないです。将棋を指してると、こういう不思議な現象はありますから。
僕もタイトルを最初に取ったときは4連勝で竜王を取りましたけど、もう最後の方は勝つことしかイメージできない。自然な流れで勝つ感じなんです。流れっていうのがあって、もはや勝負を争ってるって感じじゃないんです。その流れに乗ったままタイトルを取った印象があります。そういうことがたまにあるんですけど、この王座戦も、永瀬さんにとっては残念ですが、どんなに頑張ってもなぜか藤井さんが勝つというシリーズになってしまいました」

―やっぱりそういう星のもとに生まれているというか「持ってる」というところもあるんでしょうか。

「ええもちろん。そうじゃないと普通、将棋って勝率7割5分くらいが上限でしたから。常時8割5分くらいっておかしいですからね。ただ、これからは分からないです。一時期そういうことがあっても、勝ち続けて終わる人はいないですから。永瀬王座もこの後、リベンジになったかはわからないですけど、朝日杯決勝戦で一番返しました」

いかがでしたか? 随所に藤井猛九段にしか語れない鋭い切り口と独特のユーモアがあふれていましたね。ここでは王座戦を紹介しましたが、将棋年鑑ではその名の通り全タイトル戦を藤井猛九段が語っておりますので、ぜひ読んでみてください。
(将棋情報局)



この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください