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大河原克行のNewsInsight 第308回 パナソニック「ナノイー」が病原カビへの滅菌効果を実証、夏のリスク備え

マイナビニュース / 2024年7月22日 14時39分

過敏性肺炎の原因とされるカビは9種類あるが、そのうち約7割を占めるトリコスポロン、クロカビ、カンジダの3種類のカビで検証を行った。なお、日本では、トリコスポロンが原因の多くを占めているという。

検証ではまず、一般家庭のリビングの空気を採取して、カビが生えるかを確認。調査対象の62.5%の家庭で過敏性肺炎の病原カビを検出。「8軒の一般家庭のきれいなリビングから、たくさんのカビが検出でき、そのうち、62.5%が過敏性肺炎の原因となるカビだった」(パナソニック くらしアプライアンス社の佐々木所長)という。

さらに、45Lのチャンバーのなかに、1秒間に48兆個のOHラジカルを発生するナノイーX(48兆)の発生装置を設置し、10cm離れた場所に菌液を滴下したガーゼをシャーレに置き、ナノイーを照射。カビにナノイーを照射しない場合と、生菌数を比較したほか、ナノイー照射後のカビの断面を、走査電子顕微鏡で観察し、形状変化を確認した。

生菌率では、ナノイーを照射した場合、トリコスポロンでは30分間で99.8%を殺菌、クロカビは2時間で99.7%を殺菌、カンジダは30分で99.9%を殺菌。また、ナノイーを照射した病原カビは、細胞壁の破壊や凹みがあり、空洞化を確認できたという。

向本名誉教授は、「過敏性肺炎への対応策として、屋内で繁殖するカビの抑制は非常に重要である。パナソニックのナノイー技術の効果のひとつにカビの殺菌効果があり、これを利用することで、過敏性肺炎の原因カビを殺菌し、カビの増殖が抑制できれば、過敏性肺炎の対応策の手段のひとつとして、大きな期待が持てると考えられる」という。

ナノイーは、OHラジカルを持つ、ナノサイズの清潔イオンであり、有害物質を化学的に変性させ、抑制することができるのが特徴だ。直径5nmから20nmの微粒子であるため、繊維の奥にも浸透したり、弱酸性であるため、髪の毛や肌にも優しいという特性もある。

ナノイー発生装置は、対向電極と霧化電極、さらに、霧化電極を冷却するためのペルチェ素子で構成しており、空気中の水分からナノイーを自動生成。水に包まれていることで長寿命化し、空気清浄機などを使って噴出させることで、部屋の隅々までナノイーを届けることができる。

これまでに世界11カ国45機関と研究を行い、50種類以上の菌やウイルスを含む100種類以上の有害物質に対して抑制効果があることが実証されている。カビについては、クロカビをはじめとして家の8大カビのすべてに対して、99%以上の殺菌効果が実証されている。

パナソニック くらしアプライアンス社の佐々木所長は、「ナノイーがカビに接触すると、カビの細胞壁に損傷が起こり、損傷した細胞壁から内容物が流出し、カビが不活化することで、殺菌するというメカニズムが解明されている」とし、「住空間だけでなく、空気の質への関心が高まっている鉄道などの移動空間、病院やホテルなどの公共交換や業務空間などにもお役立ちの領域を広げ、グローバル展開も目指す。ナノイー技術によって、安心で、快適な空気と生活環境をすべての人に提供したい」としている。
(大河原克行)



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