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カレー沢薫の時流漂流 第309回 サイバー攻撃が巨大な社会問題となった現代、頑張れニコ動

マイナビニュース / 2024年7月22日 14時46分

ちなみに脅迫タイプのウイルスは、画面にポルノ画面を映した状態でロックしたり「お前のPCに児童ポルノを検出したので通報されたくなければ金を払え」というものもあるそうだ。

「エロで脅されると弱い」という人間の脆弱性をついてきており、これに対処するには「脅されて困るようなものは見ない」そして日頃から「見てたけど何か」と、己のエロに対して威風堂々とする訓練が必要である。

実際身代金の要求があり、KADOKAWAがそれに応じたかは不明だが、役員が犯人に対し「払ったのに攻撃をやめないなんてどういうことだ」と怒るメールのやり取りが何故かリークされたりと、内部でも揉めているようだ。

またXではニコニコの話題が大きかったが、もちろんサイバー攻撃の被害はニコニコだけではない。

KADOKAWAの業務サーバーが使えなくなり、業務に大きな支障が出ており、従業員や関連アーティスト、なぜかN校生とその保護者の情報が流出するなど、情報漏洩も大きな問題になっている。

正直、私自身も漫画家という立場で言うなら、ニコニコ動画の停止に騒いでいる場合ではない。

KADOKAWAは元々出版社であり、このサイバー攻撃により、書籍などの受注停止や生産量の減少、物流の遅延が起こっているそうだ。

実際Xでも書店関係者による「KADOKAWAの物流システムは本当に死んでいる」というようなつぶやきを見かけたし、「だが、謎の力により何故か本が届く」というつぶやきも見かけた。

どうやらここでもハリウッド勢が暗躍し、おそらく物理で何とか本を届けているのだろう。

幸い私はKADOKAWAからほとんど書籍を出しておらず、それらがサイバー攻撃の影響で売れていないかというと「普通に売れていないだけ」と言わざるを得ないので、直接関係はないと言えるが、KADOKAWAが主戦場の作家は大きな影響を受けているかもしれないし、いつ他の出版社が攻撃を受けるとも限らない。

もちろん攻撃対象は出版社だけではなく、いつ取引先や自分の会社がサイバー攻撃を受けてパニックに陥るかわからない時代になったということだ。

ちなみに、システムを1から作り直すしかなくなったらしいニコニコ動画に対しても、「本当に作り直すべきなのか」という意見が出ているようだ。

すでにニコニコ動画の有料会員数は全盛期の半分以下になっていたようで、衰退していたものにそこまでのコストをかけて復活する意味はあるのか、ということだ。

現在ニコニコ動画の復活を待ち望む声は少なくないのだが、なくなるかもしれないと言われてから急に惜しむ奴が現れるというのはよくある話だ。

復活を望むなら、復活後も応援すべきであり、もし応援で何とかなるジャンルなのであれば、なくなると言われる前に応援してあげてほしい。
(カレー沢薫)



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