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北日本で2023年夏が歴代1位の暑さとなった理由とは? - 気象庁などが調査

マイナビニュース / 2024年7月24日 11時53分

さらに、海洋熱波が北日本の高温にどのような過程で影響したのかを調査した結果、(1)顕著に高い海面水温によって、海面付近の大気の安定度が低くなったことに伴って下層雲量が顕著に減少し、それによって日射量が増加したことで、沿岸地域の高温やさらなる海面水温の上昇がもたらされたこと、(2)三陸沖では、海洋よりも大気が加熱されたこと、(3)地表付近の大気が平年に比べて高温多湿に保たれたため、水蒸気による温室効果が強化され、その多湿化には南方から輸送される水蒸気に加え、海洋熱波に伴って海面からの蒸発が活発だったことも寄与したこと、の3点が考えられるとした。

今回の研究により、北日本近海の海洋熱波が地上の異常高温に影響を及ぼした可能性が示された。大気に比べてゆっくりした海洋の変動は、季節予報の予測可能性を高める重要な意味を持つという。通常、季節予報では熱帯の海洋変動が大気循環に与える影響を主な根拠としており、中緯度海洋が地上気温などの天候に与える影響については、まだ季節予報の根拠とするには現時点では困難とする。このような中緯度海洋の顕著な高温の持続が大気へ及ぼす影響について理解を深めることは、その影響を考慮した予報の組み立てや季節予報モデルの評価・改善を通じて、季節予報の予測精度向上につながると期待されるとしている。

また日本近海は、世界平均に比べて地球温暖化に伴う海面水温の上昇率が特に大きい海域だ。地球温暖化の進行に伴って異常高温のリスクが高まる中、このような近海の海洋熱波が地上の異常高温に与える影響について理解を深め、その予測精度を高めていくことは、気候変動対策の観点からとても重要だという。今後も、異常気象の分析を進め、気候変動対策の取組に貢献していくとしている。
(波留久泉)



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