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GoogleからAIを使った気象予報モデル、従来と同程度の精度を達成

マイナビニュース / 2024年7月25日 12時20分

画像提供:マイナビニュース

MIT Technology Reviewは7月22日(米国時間)、「Google's new weather prediction system combines AI with traditional physics|MIT Technology Review」において、Googleの研究者たちがAI(Artificial Intelligence)と従来の技術を組み合わせた新しい気象予報モデルを構築したと伝えた。

これは同日Natureに掲載された論文により明らかになった。研究者たちは新しい気象予報モデルを「NeuralGCM(Neural general circulation model)」と呼称している(参考:「Neural general circulation models for weather and climate | Nature」)。

○「NeuralGCM」の概要

従来の気象予報モデルの一つに、全球気候モデル「GCM(General Circulation Model)」と総称されるモデルがある。これは複雑な計算式により大気の変化をモデル化したもので、精度の高い予測が可能とされる一方で膨大な計算量を必要とする。また、GCMは経験則に基づいたパラメータによって一部の解決困難な物理現象を表現する。そのため、長期の予測において誤差が蓄積していくという問題がある。

今回、Googleはヨーロッパ中期予報センター(ECMWF: European Centre for Medium-Range Weather Forecasts)の過去約40年分の気象データを使用して、機械学習による気象予報モデルを構築した。研究者たちはこの手法が目覚ましい成果を収めたと述べ、少ないコード量および計算量で短期の予測が可能としている。

しかしながら、長期の予測では複数の問題によりGCMを上回る能力を実証できないという。そこで、研究者たちはGCMと機械学習による気象予報モデルを組み合わせ、少ない計算量で精度の高い予測を可能にするモデル「NeuralGCM」を開発した。論文によるとNeuralGCMはヨーロッパ中期予報センターの1~15日予報と同程度の予測が、より少ない計算量で可能としている。

従来のGCMは計算量の多さから時間と費用が必要とされ、研究のボトルネックになっていた。NeuralGCMはこの課題を克服し、中長期(数カ月から数十年)のシミュレーションにおいても安定した結果が得られると評価されている。
○オープンソースとして公開

NeuralGCMのコードベースは「GitHub - google-research/dinosaur」および「GitHub - google-research/neuralgcm: Hybrid ML + physics model of the Earth's atmosphere」にてオープンソースとして公開されている。NeuralGCMによる天気予報の評価コードは「GitHub - google-research/weatherbench2: A benchmark for the next generation of data-driven global weather models.」から入手可能。これらは主に研究者に利用されることが期待されているが、気象に左右される農業関係者や保険会社からの利用も期待されている。
(後藤大地)

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