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OIST、イカの卵を死滅に追いやっていた新種の寄生虫の駆除方法を開発

マイナビニュース / 2024年7月24日 20時33分

今回、実験施設で発見された寄生性カイアシ類は、日本語のイカから取った「Ika」と、「殺し屋」を意味するラテン語の「necator」を組み合わせて命名された。なお研究チームでは、和名として、イカの卵を殺すという意味で「イカタマゴロシ」を提案しているという。

またカイアシ類は非常に多産で、メス1匹が産む卵の数は50~60個で、これらの卵は3週間以内に孵化する。それに対してイカの平均孵化期間は1か月のため、イカの卵1個につき、何百匹ものカイアシ類がいることになるとする。水槽で飼育されているイカの卵は、互いに近接しているため、このような侵入に対して特に脆弱だというが、このカイアシ類は野生のイカの卵からも見つかっているとした。

研究チームは、寄生性カイアシ類の観察だけでなく、孵化した稚イカを救うことにも取り組んだという。その結果、魚の養殖から獣医学、食品加工まで、さまざまな産業で広く使われている「過酢酸」(PAA)が有効であることが発見された。さまざまな過酢酸の溶液が試されたところ、2分以内に寄生虫を100%殺し、イカやその子孫にはまったく影響を与えないものがみつかったとする。過酢酸は、現在日本で使用されている次亜塩素酸塩やホウ酸のような、環境へのダメージが大きい処理剤とは異なり、完全に生分解される、環境に優しい点も重要なポイント。

研究チームは現在、PAA溶液に関する特許を出願中で、今後の研究を通じて、この駆除法が頭足類の種を問わず、またさまざまな異なる寄生虫に対しても有効であるかどうかを調べるとしている。
(波留久泉)



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