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九大、動物成分を含まない植物素材のみのヒト幹細胞培養に成功

マイナビニュース / 2024年7月25日 21時42分

まず、修飾度合いの異なるS-CNF(横河電機製)と、繊維の長さが異なるTOCNF(日本製紙製)を組み合わせて、動物成分を含んだ培養液中で"不死化した"間葉系幹細胞が良好に育つ条件が検討された。なお、正常な細胞は細胞分裂を無限に繰り返すことができず、分裂回数には限界がある。そこで、細胞不死化酵素の「テロメラーゼ」などを導入して、無限に細胞分裂ができるようにしたものが不死化細胞であり、実験細胞として研究において使用されている。その後、ゼノフリーな培養液を使用して、間葉系幹細胞の増殖性が確認された。すると、従来の足場材料に使われてきた動物由来のコラーゲンに匹敵する増殖性をCNF足場で発現させることに成功したという。

しかし、遺伝子組み換えした不死化間葉系幹細胞では、再生医療に用いることはできない。そこで、再生医療への応用に向けて、ヒトから採取した「初代細胞」(生体組織から採取したそのままの細胞のこと)の間葉系幹細胞を用いて、ゼノフリー培養が行われた。すると、不死化した間葉系幹細胞と比べて細胞が増殖しにくい初代細胞の間葉系幹細胞においても、表面改質CNF足場では良好な細胞増殖性が示されたとする。

一方、汎用のプラスチック足場では、不死化間葉系幹細胞では良好に増殖していたものの、初代培養では増殖性が著しく低下することが確認された。つまり、ヒト幹細胞培養において、樹木由来CNFが優れた素材であることが明らかにされたのである。

研究チームは今後、表面改質CNF足場上で培養した初代間葉系幹細胞の特性解析や、細胞が分泌する有効成分の解析などを行うことで、再生医療や創薬支援基盤技術への応用を目指すとしている。
(波留久泉)



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