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日銀の利上げで住宅ローン・変動金利はどれくらい上昇する? 今後の「追加利上げ」見通しも解説

マイナビニュース / 2024年7月26日 11時0分

金利が下がって35年間の金利収益が目減りした結果、銀行は新規貸し出し時の融資手数料に収益機会を見出すようになったため、新規の貸し出しが鈍るような金利の引き上げはしづらいのです。
○10月までに0.25%の追加利上げか

――現状はマイナス金利解除の影響は小さいようですが、気になるのは今後です。次回の政策金利の利上げはいつ行われると考えられますか?

次回の利上げは最短7月、遅くとも10月には行われるとみています。なぜなら、賃金が上昇しつつあるからです。賃金が上がると消費意欲が増すので、モノの取り合いになって物価が上がり、そのぶん賃金もまた上がります。日銀はこの「賃金上昇→需要増大→インフレ」という経済のサイクルを重視しているので、賃金が上がりつつある今、低金利の度合いを調整する方向に向かうでしょう。

仮に7月の利上げを見送ったとしても、9月、あるいは10月に利上げが行われるというのが私の見立てです。その場合の利上げ幅は、各国における政策金利の標準的な利上げ幅である0.25%となる可能性が高いでしょう。

――金利が引き上げられた場合、各行の変動金利にどのような影響があるのでしょうか?

日銀が政策金利を引き上げると、基準金利が上昇します。変動金利は「適用金利=基準金利-引き下げ幅」なので、基準金利が上がれば変動金利も上昇します。

多くの銀行は法人向け融資の指標である短期プライムレート(短プラ)に1%を加えたものを基準金利としています。短プラが1.475%の場合、基準金利は2.475%です。過去の政策金利と短プラの動きを踏まえると、政策金利が0.1%を超えると、0.1%を超えたぶんだけ短プラが上がると考えられるので、政策金利が0.25%上昇すれば、短プラが0.15%上昇し、基準金利も0.15%上がるでしょう。

基準金利が0.15%上がると、既存住宅ローンユーザーの金利負担は0.15%分増えることになりますが、新規貸出金利が同じだけ上がるとは限りません。新規獲得競争が激化している中、基準金利の上昇幅に対し、新規貸出金利の上昇幅はごくわずかにとどめる銀行も多いのではないかと考えられます。

後編では、追加利上げ後の住宅ローンの選び方についてお聞きします。

○塩澤崇(しおざわ・たかし)/株式会社MFS 取締役COO

2006年に東京大学大学院情報理工学系研究科修了後、モルガン・スタンレー証券株式会社にて住宅ローン証券化ビジネスに参画。モーゲージバンクの設立やマーケティング戦略立案、当局対応を担当。2009年、ボストン・コンサルティング・グループでは大手金融機関への経営コンサルティングに従事した後、2015年9月より現職。
(春奈)



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