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窓辺の小石 第176回 コードプラス1

マイナビニュース / 2024年7月26日 18時7分

これらのユニコードのコードポイントでは、対になる引用符が連続して配置されている。左側(LEFT)の引用符が決まれば、右側(RIGHT)の引用符は、右側のコードポイント+1となる。ASCIIコード(ユニコードのBasic Latin)の引用符には左右がないので、同じものを使えばよい、そう考えてプログラムを作った。

プログラムの機能としては、引用符の開始文字と、対になる引用符(たとえば、カギ括弧なら二重カギ括弧、ダブルクオートなら、シングルクオート)の2文字を指定して機能を登録する。メニューで機能を選択すると、クリップボード文字列全体を指定された引用符で括り、内部の引用符を対になる引用符に書き換える、というものだ。括弧の場合には、置き換えルールは一般的でないので、開始文字、1文字だけを指定することを想定していた。

最初は、これでも良かったのだが、欲を出してプログラムを公開しようと、日本語、英語以外の引用符にも対応させることにした。それで、ユニコードのGeneral Punctuationのチャートを見た。そこには、多数の「引用符」があった。調べた結果の組合せが表01である(調べ尽くしたわけではないので、他にも組合せが存在する可能性がある)。世の中には、左側の引用符が下に置かれる「„…“」(U+201eとU+201c)という組合せを使う言語もある。この上下の組合せの引用符には、右側の向きが違う「„…”」(U+201e、U+201d)を使う場合もある。いや、何をするにしても、規格書には一度は目を通しておくべきである。

イギリスでは、シングルクオートが標準的に使われ、ダブルクオートが代替となる。フランス語のギュメも引用符の1種らしい(Latin-1 Punctuation)。日本語には、縦書き時のダブルクオートとしても使われるダブルミニュートと呼ばれる記号があった。これもユニコードのCJK Symbols and Punctuationに収録されている。また、ユニコードでは、シングルクオートはASCIIコードのものではなく、General Punctuationで定義されているものを使うことが推奨されているようだ。

そういうわけで、引用符や括弧記号の右側は左側のコード+1というのは結構狭い範囲の話でしかないことがわかった。しかし、発見もあった。左側が下に来る引用符は、フォントが小さくてもASCIIコードのダブルクオートで囲まれた文字列と区別しやすい。多くのフォントで、欧文との組合せを想定するため引用符は「半角」扱いになることもあって、米国式の左右とも上につく引用符は、フォントサイズが小さいとき、ASCIIコードの引用符と区別が付きにくい。しかし、上下に付く引用符は、文字が小さくてもASCIIコードの引用符と容易に区別が付く。プログラム関連の記録などで、ときどき使うことにした。

今回のタイトルネタは、ギャビン・ライアル(Gavin Lyall)の「深夜プラス1」(Midnight Plus One)である。身を持ち崩した、かつての精鋭という設定は、いまではアニメや漫画で当たり前に使われているが、その元祖ともいえるのが、この作品。逆にいうと、この作品があったからこそ、この設定が秀逸なパターンとして定着したということか。
(塩田紳二)



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