熊本大とTOPPAN、AI-OCRで「細川家文書」の未解読資料5万枚の解読に成功
マイナビニュース / 2024年7月29日 14時3分
今回解読された「細川家文書」とは、江戸時代の細川家に伝来した5万点以上、約288万枚の歴史資料群のことを指し、主に「奉行所日帳(ぶぎょうしょにっちょう)」、「奉書(ほうしょ)」、「御国御書案文(おくにごしょあんもん)」、「方々(かたがた)への状控(じょうひかえ)」の4種類で構成される。現在は公益財団法人永青文庫が所有し、その大半が熊本大学に寄託されている。
今回の研究では、細川家文書の約5万枚の資料に対し、災害に関するキーワード「大雨、虫、飢、疫」などにより調査が行われた。すると、洪水、作物虫害、飢饉、疫病の発生と、それへの対応が行政課題化した事実を示す記述などが300件以上発見されたという。
また、それらの中には、これまでよく知られていなかった17世紀後期の気象災害に起因する大規模な飢饉と疫病の蔓延を物語る熊本藩奉行所の執務記録の記述など、未知の重要な記述が含まれることが確認され、熊本における地域防災などに今後、活用するための研究を進めていくとした。
今後、TOPPANと熊本大は共同で「細川家文書」のさらなる解読を続け、この研究を通じて現代における防災計画や、歴史学の学習・研究の拡大に貢献していきたいとする。TOPPANは、グループ会社であるTOPPANデジタル、TOPPANエッジとも連携し、AI-OCRによる古文書解読支援システム「ふみのは」の精度向上を目指すと同時に、全国のさまざまな教育機関、博物館・資料館、地方自治体などとも提携し、全国各地に眠る貴重な歴史的資料の研究・活用の支援に取り組んでいくとした。一方の熊本大は、同文書の解読と分析を進め、一時代の中でも細分化された短期間の枠内で完結するような研究法を克服して、江戸時代の長期にわたる社会変容の過程を通時的に把握し、九州に基点をすえた江戸時代社会史研究の深化に取り組んでいくとしている。
(波留久泉)
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