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OIST、消費電力従来比1/10以下のEUVリソグラフィー半導体製造技術を提案

マイナビニュース / 2024年7月30日 19時9分

今回の技術では、EUV光源からウェハまでわずか4枚(4段)のミラーしかなく、ウェハに10%以上のエネルギーが到達可能だ。そのため、出力が数十ワットの小型EUV光源でも動作する。これは、消費電力の大幅な削減(従来の10分の1以下)につながり、結果としてコストも削減し、信頼性と寿命を飛躍的に向上させるという。

EUVリソグラフィーの心臓部である、フォトマスクの画像をシリコンウェハに転写するプロジェクターは、わずか2枚の反射ミラーで構成され、天体望遠鏡に似た構成となっている。従来は少なくとも6枚の反射ミラーが必要と考えられていたことから、非常にシンプルな構成となっている。このことは、光学の収差補正理論を慎重に見直すことで可能となったという。なお、詳細な性能は光学シミュレーション・ソフトウェアを使って検証済みで、先端半導体の製造に十分な性能が保証されているとした。

さらに、「二重露光フィールド」と命名された新技術で、平面ミラーのフォトマスクを、光路を邪魔せずに正面からEUV光を照射する新方式の照明光学系が考案され、課題が解決された。これは例えるなら、2つの懐中電灯を左右の手に持ち、正面の鏡に向かって斜めから同じ角度で光を当てると、一方の懐中電灯から出た光は必ず反対側の懐中電灯に当たってしまい、リソグラフィーには使えないが、懐中電灯の角度を変えずに左右の手の位置を外側にずらせば、光は反対側の懐中電灯と衝突することなく通過できるようなものだという。2つの懐中電灯は対称に配置され、同じ角度でマスクを照らすため、平均してマスクは正面から照射され、EUVリソグラフィー特有の問題である「マスク3D効果」を最小限に抑えることに成功したとする。

今回の技術はOISTが特許出願済みで、今後、実証実験を経て産業界で実用化されることが見込まれるとしている。
(波留久泉)



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