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東北大、野菜に含まれる硝酸塩がむし歯の抑制に寄与する可能性を発見

マイナビニュース / 2024年8月2日 15時36分

今回の研究では、一般歯科医院を受診した18名の患者の上顎臼歯部から採取されたプラーク試料に対し、口腔と同程度の濃度の硝酸塩および亜硝酸塩を添加し、さらにグルコース添加した際のpH変化が測定された。亜硝酸産生活性および亜硝酸分解活性は、Griess試薬を用いて亜硝酸塩の増減を測定することにより評価がなされた。

その結果、硝酸塩の添加は、プラークの内因性酸産生(グルコース添加前)によるpH低下を有意に抑制し、さらにグルコース添加後の酸産生に伴うpH低下も有意に抑制することが確認された。また、グルコース存在下では、プラーク中の硝酸塩代謝(亜硝酸塩産生)活性は約3.3倍に促進されたという。

その一方で、亜硝酸塩の添加は、内因性酸産生によるpH低下を有意に抑制したものの、グルコース添加後の酸産生に伴うpH低下は抑制しなかったとのこと。またグルコース存在下では、亜硝酸塩分解活性が有意に促進されたが、その促進効果は約1.1倍で、亜硝酸塩産生活性と比べてはるかに弱いものだったとする。

それに加え、採取された全プラーク試料において、亜硝酸産生活性と分解活性が確認されたが、いずれも個人差が大きいものの、両者間に相関は認められなかったという。さらに、亜硝酸塩産生活性は年齢と正の相関が見られたとした。

研究チームは今回の研究により、硝酸塩がう蝕の予防に寄与する可能性が示されたとする。さらに、亜硝酸塩産生活性は、グルコースの存在下で亢進することが解明され、糖代謝による過剰な酸産生を防ぐ自己調節機構(レジリエンス)として機能している可能性が考えられるという。

今回の結果は、日々の食事に含まれる硝酸塩やそれを多く含む野菜を用いた、新たなむし歯予防法の開発に貢献できる可能性があり、その実現が期待されるという。一方で今回の作用には、十分に野菜を摂取することだけではなく、亜硝酸産生菌と共生することが重要とした。研究チームは今後、口腔細菌による、より効果的な亜硝酸塩産生条件の模索や、細菌群との最適な共生のありかたなどを含めて、さらなる研究を進めていきたいとしている。
(波留久泉)



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