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人機一体が歩行可能な人型重機をデモ、マクロス河森監督との共同開発も開始!

マイナビニュース / 2024年8月5日 7時15分

特に「歩行モーション」のようなものはなく、人間が左右の脚を前に動かす操作をすれば、ロボットが自動でバランスを維持して、前に歩くようなイメージだ。人間は自分で歩くとき、いちいちバランス制御を意識することはない。HABCは、そういう感覚的な意味でも、人間の歩行に近いと言えるだろう。

足首のモーターが焼けてしまったそうで、残念ながらこの日の動作デモは片足バランスのみとなってしまったが、同社からは、事前に撮影した歩行の動画が公開された。現時点では、8倍速でもまだゆっくりした速度であるものの、今後、制御をブラッシュアップし、高速化していく予定だ。

次世代機のコンセプトが発表

そして、今後の開発ロードマップも明らかにされた。零一式カレイドは原理検証のためのPoC試作機だったが、「人型重機」として実用化を進めるために、次の段階では、社会実装コンセプトとしてのPoC試作機を2体開発するという。

今回、そのコンセプトスケッチが公開されたのだが、驚くのはそのデザイナーだ。1人目は、「LOVOT」等のデザインで知られる根津孝太氏。根津氏はすでに同社の「零式人機」等のデザインに関わっていたが、今回、新たに加わった2人目は、なんとマクロスシリーズ監督の河森正治氏である。

河森氏はこれまで、様々なSF作品でロボットのデザインを担当してきたが、現実社会で動くロボットのインダストリアルデザインは、これが初挑戦だという。河森氏がデザインするのは、「一零式人機 ver.1」。機能の詳細については明らかにされなかったが、河森メカらしく、変形することを考えているとのこと。

河森氏は、機械工学が専攻。SF作品であっても、機械的な整合性のとれた変形・合体機構を得意としてきた。今回、初めて実在するロボットを作ることになるが、「もともとは、飛行機とか宇宙船とか自動車とか、現実社会のものを作りたかった。40年以上やってきて良かった」と、喜んだ。

一方、根津氏がデザインするのは、「零一式人機 ver.2」だ。同じ「零一式」であることから分かるように、これは零一式カレイド直系の発展型となり、重機としての大出力化を目指すという。また、両腕では足りない作業の補助用に、胸部からサブアームを展開する機構を備えるというのも面白いところだ。

金岡博士は、「これはデザインのためのデザインではない」と強調。今後、開発がより具体化していけば、修正されるところは出てくるにしても、基本的にはこのコンセプトに沿って開発を進めていく。両機とも、デザインは同社のエンジニアと協力して作られたそうで、現実的な機械設計として成立するよう考えられているようだ。

同社は、世界からフィジカルな苦役を無くすことを目指し、様々なロボットを開発している。「零式」は、高所作業用の上半身型。「零一式」は全身の人型。「零二式」は、高出力の単腕型。そのほか、未発表ではあるが、社内には「零三式」もあるそうで、これは重機としての双腕型になるとのこと。

それでは、今回発表された河森氏の「一零式」とは何なのか。金岡博士によれば、人型の零一式(1)と高所作業用の零式(0)の両方の特性を併せ持つことから、この2つの数字を並べて一零式(10)になったそうだ。一零式の変形・合体は、この両対応のための機能ということで、どのように動くのか、いまから非常に楽しみだ。
(大塚実)



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