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EV普及のカギはマンション充電にあり?ユビ電COOに聞く

マイナビニュース / 2024年8月6日 11時0分

さらに具体例として、埼玉県草加市在住でEV(テスラのモデル3)を所有するユビ電の社員さんの走行データ(2023年11月)の分析結果を教えてくれた。その月は頻繁な都心部の走行、アクアラインを使った千葉県木更津市への往復、横浜方面に向かったドライブが主で、総走行距離は1,762kmに到達。総充電量は367kWhだったのだが、出先でテスラ自慢の急速充電器「スーパーチャージャー」を使う機会は1度もなく、全て自宅充電で賄えたという。400km~500kmもの航続距離を持つ最新のEVを実際に所有してみると、出先での電欠を心配することはほとんどないのだそうだ。

ユビ電を導入するメリットは?

WeChargeを導入するメリットは、専用のスマホアプリを利用して使用者だけに課金される受益者負担である(居住者の公平性が保てる)点、集合住宅に適した統合管理を行うことによって充電ピークが分散できる点、ランニングコストがかからない点、設備投資や維持管理の補助金申請などについて業者がサポートと代行を行ってくれる点などたくさんある。利用するマンションの管理組合にとっても、大変都合がいい仕組みだ。

今回の八王子の例だと導入費用は約1.2億円で、補助金申請が通ればその8割程度が賄えるとのこと。また、東京都では来年の2025年から、新築マンションに対して一定規模のEV充電器の設置が条例で義務化されることになっていて、近い将来は、EV充電器が生活に欠かせないインフラになりそうな情勢だ。資産価値という観点で考えても、中古マンションにこうした設備があるのとないのとでは、将来的に大きな差がついてくるに違いない。

ユビ電が「インフラが先」と考える理由のひとつとしては、EVがなかった都心部の駐車場にWeChargeを設置したところ、2年間で利用者(駐車するクルマ)の8割がEVかPHEVに入れ替わったという事例を紹介してくれた。利用者からは「自宅充電なら寝ている間に(電気を)満タンにできるので、ガソリンスタンドの場所や営業時間を気にしながら給油に行く必要がなくなった」「起きたら100%はやっぱり最高」との声が聞こえてくるという。

EVは(乗り方によってはPHEVも)自宅充電さえできれば、当たり前だがガソリンスタンドに行く必要がない。これはICE(エンジン車)にはない根源的な価値だ。クルマそのものとして見ても、EVは加速性能や静粛性が抜群。ということは、充電設備を備えた一戸建てのような環境をマンションに与えてやれば、EV普及率は一気に上がるはずというのがユビ電の答えであり、それを解決するのが我々の仕事だと白石COOは考えているという。

国のグリーン成長戦略では、2035年までに電動車100%(ハイブリッドも含め)という目標が掲げられている。集合住宅については、最大20万口の充電設備を設置していくという流れがある。EVの普及については「踊り場」に差し掛かっていると言われる昨今だが、インフラが充実していけば普及率は再び伸びていくはずだ。今後の進展を見守りたい。

原アキラ はらあきら 1983年、某通信社写真部に入社。カメラマン、デスクを経験後、デジタル部門で自動車を担当。週1本、年間50本の試乗記を約5年間執筆。現在フリーで各メディアに記事を発表中。試乗会、発表会に関わらず、自ら写真を撮影することを信条とする。 この著者の記事一覧はこちら
(原アキラ)



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