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キーサイトの新社長に寺澤紳司氏が就任、日本の半導体産業の成長への貢献を目指す

マイナビニュース / 2024年8月5日 18時47分

AIの要となる半導体産業の成長を支援

また、寺澤新社長は半導体パラメトリックテスト事業部にも関わっていたということもあり、日本を中心とした半導体産業への貢献も目指したいと抱負を語る。

同社は2023年、IC設計のデータ管理ソリューションを手掛けるCliosoftを買収し、EDAソフトの拡充を行っている。Cliosoftのソリューションは、各EDAベンダのツールと連携して、ドキュメントなどのバージョン管理を可能とする「Design Data Management(SOS)」や、さまざまなところに置かれているIPを提示してくれる「IP Management(HUB)」などといったもので、さまざまな半導体設計の際の活用が期待されている。

こうしたソフトウェアのほか、先般、同社は静電容量方式を用いた測定手法を採用することで、これまでのX線や電気的特性を調べる手法での測定課題を克服したワイヤボンディング欠陥評価装置を発表するなど、元からの潮流であるハードウェアも充実させている。

元々、同社は前身のアジレント・テクノロジー時代、半導体自動試験装置(ATE)の部門を有していた。その後、同部門はVerigy(ヴェリジー)として独立されたが(2011年にアドバンテストが買収)、パラメトリックテスタについては手元に残し、キーサイトが継承した(キーサイトのアジレントからの分社は2014年)。実は、こうした半導体向け計測機器の多くが、八王子本社のR&Dセンターで生み出されてきた(日本にはキーサイトの全世界22の研究開発拠点の内、2拠点がある。そのうちの1つが八王子)。

パラメトリックテストは、半導体デバイスの電圧や電流、信号入出力のタイミングなどが許容範囲に入っているかであったり、断線が生じていないかなどを測定するもので、電流や電圧の測定、周波数測定などの計測技術が活用される。同社のパラメトリックテストシステムも、詳細は言えないとしつつも世界中の半導体工場で使われていることを同氏は強調する。

また同氏は「すべてのベースになっているのが顧客とのパートナーシップ。説明が難しいが、最先端の研究の中で、開発された半導体デバイスがうまく動いているのかを評価する必要がある。そうした最先端デバイスを評価するためには、それよりも高い性能で計測ができる必要がある」とし、業界に先駆けたソリューションを提供していくことがキーサイトの使命であり、SiCやGaNといった次世代パワー半導体も技術的なチャレンジだとする。その一方で、そうしたパワー半導体のプレイヤーは日本にも多く存在しており、そうした次の市場を切り開こうとする日本の顧客の発展を支えるべく、新たなソリューションの提供を進めていきたいとし、20204年下半期中には、SiC/GaN向けテストソリューションが登場する見込みであることを披露した。

なお、同氏は日本での戦略として販売店との関係性を強化していきたいとしているほか、半導体テスタ事業に関しては、まだまだパラメトリックテストだけでも、高電圧やシリコンフォトニクスなどをはじめとして、半導体の適用アプリの幅が広がっていることを踏まえ、すべての市場機会に適応できていないとの見方を示しており、そうした拡がるニーズを踏まえた開発を続け、あらゆる半導体デバイスに対応するパラメトリックテストソリューションの構築を図っていきたいとしていた。
(小林行雄)



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