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病院など医療機関も狙われる! 悪質な「やらせレビュー」が蔓延するワケ

マイナビニュース / 2024年8月11日 17時0分

画像提供:マイナビニュース

多くの経済活動や生活インフラが、IT基盤の上に成立しています。特に身近でよく利用するITインフラの1つがネットのレビュー機能ですが、悪質で惑わされやすい「やらせレビュー」が増殖しています。アマゾンなどのショッピングサイトだけではなく、グルメサイト、ホテル予約サイト、そして医療機関のグーグルマップのクチコミにまで広がってきています。 私たちが注意すべき点はどこにあるのでしょうか。

本稿は『深掘り! IT時事ニュース 読み方・基本が面白いほどよくわかる本』(技術評論社刊)より、内容の一部を抜粋・編集したものです。

アマゾンにやらせレビューが蔓延

アマゾンやグーグルマップの「クチコミ」のやらせが、たびたび大きな問題になっています。特に、2019年にNHKテレビがアマゾンでのクチコミの実態を取り上げて社会的問題に発展したほか、2024年にはグーグルマップのクチコミで病院がグーグルを提訴しています。

クチコミはユーザーが参加するメディア、いわゆるCGM(コンシューマージェネレイテッドメディア)には必ずといっていいほどあるもの。CGMの機能がある他のサービスでも同様の問題が起きています。たとえば、レストランの評価機能があるグルメサイト、ホテル・旅館などの予約サイト、病院などはグーグルマップのクチコミで、やらせや嫌がらせレビューが問題になっています。

なぜ、クチコミでのやらせがこれほど蔓延してしまうのか、アマゾンを例にまとめたのが下の図です。アマゾンは商品数が膨大にあることが特徴ですが、結果としてひとつひとつの商品が埋もれやすい欠点があります。たとえば「ワイヤレスイヤホン」と検索しただけでも、似たようなデザイン・機能・価格の商品がズラッと並ぶのです。

消費者から見るとどれも同じものに見えるため、比較して選ぶ要素がありません。唯一違いのある要素が、クチコミの数と点数となります。そこで販売側は、クチコミを増やして点数を上げることで目立たせようとするのです。また、価格の安い製品は怪しげなものが多く、本当に信用できるのか?安全なのか?と不安になります。そこで販売側は、やらせレビューで安心感を出そうとするのです。

結果としてやらせレビューが多いのは、価格が安く定番商品がないジャンル、たとえばワイヤレスイヤホン、ヘアドライヤー、モバイルバッテリーなどになります。やらせレビューは中国などの輸出代理店が仕掛けることが多いため、特に手ごろな価格の電気製品で目立っています。アマゾンでは、自動プログラムなどでやらせレビュー対策を始めており、効果は出てきていますが、まだ完全とは言えません。
グルメ・ホテル予約サイトでのやらせ

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