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「2024年夏ドラマ」オススメ5作は? パリ五輪開催中の難しいクールで意欲作ズラリ

マイナビニュース / 2024年8月7日 10時0分

傾向[2]「夏なのに」命をめぐる重い物語が続出

前述したように難しいクールだからこそ、安全策の刑事・医療ドラマが増えているのだが、両ジャンルに共通しているのは“命をめぐる物語”であること。刑事のベースは殺人事件であり、医療は常に生死を分けるストーリーが放送されている。つまり、それだけシリアスな世界観の作品になりがちなのだが、今夏の“命をめぐる物語”は刑事・医療だけではない。

『海のはじまり』と『あの子の子ども』(カンテレ制作・フジ)は、どちらも学生の妊娠と中絶・出産がテーマの物語。しかも令和の事情を詳細かつシビアに描き、序盤からネット上には「思っているより重いドラマだった」などの声があがっていた。

本来、夏は最も明るく楽しいムードの作品が合う季節で、かつての『ビーチボーイズ』『WATER BOYS』『花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~』(すべてフジ)などがそうだったようにライト層を引きつける手段でもあった。しかし、徐々にそれがうまくいかなくなると、安定感を求めてドラマフリークが好む重い物語が優先されていたが、今夏はその傾向が強いことになる。

ただ制作サイドは命をめぐる重い物語をそのまま放送しているわけではない。重さをやわらげる美しいロケ映像、さわやかな音楽、箸休めとなるパートの挿入などの見やすくするための工夫を施している。また、命をめぐる物語は重いからこそ終盤の感動が大きく、「最後まで見てよかった」と序盤の印象が覆されるケースも多いだけに、パリ五輪が終わり、夏ドラマが終盤を迎える9月は盛り上がるかもしれない。

これらの傾向を踏まえた今クールのおすすめは、『海のはじまり』『クラスメイトの女子、全員好きでした』の2作。

『海のはじまり』は、元助産師だった生方美久の脚本に引き込まれる。『silent』『いちばん好きな花』の前2作はどこか尻つぼみの印象もあったが、妊娠から中絶、出産、ステップファミリーまでを描く今作はその不安はない。風間太樹の演出で重さをやわらげ、人気者の目黒蓮と有村架純を囲うキャストもスキのない布陣。

『クラスメイトの女子、全員好きでした』は、今夏の掘り出し物。小説の盗作をめぐる現代パートを“振り”にしたメインの中学時代パートに引き込まれる。甘酸っぱさと苦さ、あるあると笑いを織り交ぜた世界観は年齢不問の面白さ。何より美男美女をあえてそろえずリアルな教室を再現した子役のキャスティングに感心させられる。

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