JAIST、柔軟なソフトロボットのための触覚センシングシステムを開発
マイナビニュース / 2024年8月7日 15時1分
ConTacには、ソフトロボットのような屈曲動作が可能な骨格、マーカー付きの柔らかいスキン、スキンの変形を撮影するカメラ、スキンの形状と触覚のセンシングモデルおよび接触機構が含まれる。また、シミュレーション上のデータで訓練した2つの深層学習モデルが使用されており、追加の調整を行うことなく、実世界のデータで動作できるという。さらに、知覚情報を用いてロボットアームの動きを決定するアドミタンスベースコントローラも開発されたとのことだ。
その後ConTacにおいて2つの異なるロボットモジュールでテストが行われ、その有効性が確認されたとする。さらに、形状情報と触覚情報を利用する制御戦略が開発され、ロボットアームが衝突に適切に対応できるようにされた。それらにより、今回のアプローチは、柔軟性の高いロボットの知覚と制御を大幅に改善できる可能性があることが明らかにされたとする。
またConTacは、キャリブレーションの必要なしで、同じ機構や形態を持つあらゆるロボットに適用可能だ。それを実現するため、シミュレーションデータのみで学習させた深層学習モデルが用いられた。それらのモデルは実際のロボットへ適応できるため、時間とリソースを短縮できるという。
なおConTacシステムを搭載した柔軟なロボットアームは、ロボットが障害物の多い環境をナビゲーションし、人間とロボットが安全に作業することが求められるスマート農業やヘルスケアサービスなどに適しているとする。また、その柔らかさと柔軟的な機構は、周囲の環境を感知する能力が組み合わさり、植物や患者などへの安全なインタラクションでもあるとした。さらに、今回の成果を発展させ、将来的には、既存のロボットシステムに簡単に組み込むことができる触覚センサの開発も期待されるとのこと。それにより、すべてのロボットが触覚を持つ社会となれば、産業と日常生活などに大きな変革をもたらすとしている。
(波留久泉)
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