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ホンダが最初に作ったクルマは超高性能な軽トラだった?

マイナビニュース / 2024年8月17日 11時30分

こうした経緯を経て、ホンダは1963年8月にT360、同年10月にスポーツカーの「S500」を発売します。「人々の生活に役立ちたい」という想いと「走りの楽しさを広げたい」という想いから、同じ年に発売した2台のクルマ。それが、ホンダのクルマ作りの原点であり、その想いは今も変わらない同社の思想です。つまり、軽トラックのT360こそが初めてのホンダの四輪車なのです。

ちなみに、スポーツ360は生産が見送られました。その要因は諸説ありますが、どうやら、市販化する際の重量増によるパワー不足というのが有力なようです。従って、より排気量の大きいS500を販売したのでしょう。

T360が搭載するエンジンは前述の通り、日本初のDOHCでした。性能は最高出力30ps(馬力)/8,500rpm、最高速度100km/hとうたっています。これがどのくらい高性能なのかというと、例えば「スバル360」は16馬力(1958年デビュー時)であり、そのほかの軽自動車も20馬力程度だったのを考えれば相当なものです。

1964年には、少し荷台を長くした排気量500ccの「T500」もデビューします。こちらは38ps/7,500rpmの性能を発揮しました。T500の生産台数は2年間で1万台強。一方のT360は4年間で10万台ほどが生産されたと伝えられており、当時の軽トラックのシェアの4%程度を占めたそうです。

価格はT360が34万9,000円、T500は37万5,000円でした。ちなみにスバル360が36万5,000円だったので、かなり高額な軽トラックだったことが伺えます。

まさにスポーツカーのエンジンを搭載した軽トラック。なんともホンダらしい、エンジニアリング重視のクルマだとは思いませんか。

それでは、次回をお楽しみに!

内田俊一 うちだしゅんいち 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験をいかしてデザイン、マーケティングなどの視点を含めた新車記事を執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員、日本クラシックカークラブ(CCCJ)会員。 この著者の記事一覧はこちら
(MN ワーク&ライフ編集部)



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