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東大など、成人で1mほどの人類史上最小の「フローレス原人」の新化石を発見

マイナビニュース / 2024年8月8日 17時8分

計10点となったマタメンゲの人類化石は、少なくとも4人分(そのうち2人が子ども)のもの。どれもリャンブアのフローレス原人とよく類似しており、歯の特殊化が進んでいない古いタイプのフローレス原人とみなせるという。

まずデジタル顕微鏡による微細構造の観察から、小さな上腕骨(SOA-MM9)は大人の骨で、その太さと復元した長さにおいて、既知の人類化石の中で最小だという。

比較が可能な、少なくとも2個体に属する歯・下顎・上腕のどれにおいても、リャンブアのサイズを下回ることがわかった。つまり70万年前のフローレス原人は、リャンブアと同等かそれよりもさらに小さかったといえるとする。

復元された上腕骨の長さ(211~220mm)から推定された身長は、低身長のヒトモデルではマタメンゲが103~108cm、リャンブア(LB1)が121cm、類人猿モデルではマタメンゲが93~96cm、リャンブア(LB1)が102cmだった。なお、身長と上腕の長さのプロポーションの違いから、2つのモデルの予測は異なるとする。リャンブアのフローレス原人は両者の中間的(大腿骨と比較が行われた上腕の長さが現代人より長く、類人猿よりは短い)であるため、2つのモデルの中央値(約100cm)が今回のマタメンゲの実際の身長に近いことが予測されるという。ちなみに、大腿骨の長さから検討されたリャンブア(LB1)の推定身長は、106cm程度と報告されている。

小型であることを除けば、マタメンゲの化石はジャワ原人と高い類似性を示すという。つまり、現代人並みに大柄だったジャワ原人からフローレス島において劇的な小型化が生じたことが想定されるとした。ただし、フローレス原人が、ジャワ原人よりも小柄で原始的な、猿人やホモ・ハビリスから進化したとの説は支持できないとする。

体長3mになるコモドオオトカゲやワニが生息していた太古のフローレス島において、フローレス原人が小型化したことは、原人にとってそれらの大型は虫類はさしたる脅威ではなかったことが示唆される。島における早期の小型化とその後の体サイズの平衡は、孤島における小さな身体が、原人にとって何らかのメリットがあったことを暗示しているとした。

なお東大 総合研究博物館では、今回の新発見の化石のレプリカを、特別展示『海の人類史-パイオニアたちの100万年』にて一般公開中だ(入館無料)。
(波留久泉)



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