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窓辺の小石 第178回 合成文字のはんらん CHAPTER Ⅰ

マイナビニュース / 2024年8月9日 14時36分

OpenTypeの合字には、「Standard ligatures(標準合字。liga)」、「Contextual ligatures(コンテキスト合字。clig)」、「Discretionary ligatures(随意合字。任意の合字と訳す場合もある。dlig)」、「Historical ligatures(歴史的合字。hlig)」、「Required Ligatures(rlig)」の5つがある。カッコ内の欧文4文字表記は、OpenTypeの特性で標準的に使われるタグである。

Microsoft Wordでは、4つの合字の組合せである「(合字)なし」、「標準合字」、「標準合字組み合わせコンテキスト合字」、「歴史的合字および随意合字」、「(合字)すべて」の5つの組み合わせのみが指定できる(写真02)。デフォルトは「標準合字およびコンテキスト合字」になっている。

しかし、合字をどのタイプとして分類するのかは、フォントファイルにより、定義が異なることがある。MicrosoftのWPF(Windows Presentation Foundation。.NETのUIフレームワークの1つ)の「OpenType フォントの機能」にある「合字」の記述では、fi、fl、ffなどを「標準合字」であるとしている。ここのページの説明を見る限り、OpenTypeでは標準合字を指定すれば、fi、fl、ffなどは合字で表示される、と読める。実際、このページで説明に使われている「Pericles」(写真03)というフォントでは、「fi」、「ff」、「fl」は、「標準合字(liga)」に分類されている。また、このフォントでは、随意合字を有効にするとCとOを組み合わせた極端な合字が表示される。同じく、例示に使われている「Palatino Linotype」というフォントでもfの合字は標準合字である。

しかし、Windowsに標準的に含まれているTime New Romanでは、「fi」、「ff」、「fl」の合字は、「随意合字(dlig)」になっている。また、「游明朝」では、欧文フォントも游明朝と指定したとき、「歴史的合字または随意合字」を有効にすると、アルファベットのaとmの後ろに点がつく。そのほか「アルファ」が組文字になる、「ます」が枡形になる(写真04)。Wordに限って言えば、合字に関しては、設定を触らないのが良さそうだが、Time New Romanで合字を使いたいときは触らざるを得ない。

しかし、プログラムを作る場合には、そうはいかない。次回はプログラムで合字を制御してみることにする。

今回のタイトルネタは、Raymond F. Jonesの「The Cybernetic Brains」である。“Cybernetic”とはもちろん、Norbert Wienerの「Cybernetics(サイバネティクス)」である。サイバネティクスの書籍が出版されたのが1948年で、この小説の初出(雑誌掲載)が1950年である。

1967年に岩崎書店から、子供向けの「エスエフ世界の名作」シリーズの一冊として「合成脳のはんらん」というタイトルで出版された。当時、このシリーズは、多くの小学校の図書館にあり、筆者も小学生の頃に読んだ。子供向けの抄訳なのだが、翻訳のアレンジが強すぎて、強烈な印象がある。
(塩田紳二)



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