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窓辺の小石 第179回 合成文字のはんらん CHAPTER Ⅱ

マイナビニュース / 2024年8月16日 12時0分

Palatino Linotypeフォントでは、標準合字(liga)のときのみ合字表示でff、Fl、ffiの幅が狭くなる。これにより、末尾のパイプ文字の位置が微妙にずれる。Cascadia Codeフォントは、モノスペース(等幅)だったので、合字の有無に関わりなく、末尾の位置はずれないが、このフォントは、プロポーショナル(可変幅)なので、合字があると位置がずれる。位置がずれるのは標準合字のときのみで、他の合字やcaltのときには、末尾の位置は同じになる。

これに対して、筆記体系のSegoe Scriptでも標準合字が有効になっている(写真03)。さらによく見ると、caltでも微妙に末尾の位置が違う。よく見ると、Coffeeの最後のeやFloat最後のtのストロークの終わりの形が異なっている。

プログラムからは、合字などのOpenType特性を細かく制御できる。筆記体文字では、caltを有効にすると、スペース前の単語の切れ目の感じが良く出ている感じがする。印象が異なると感じる人もいる。微妙な違いなので、全然、気にならないという人もいるだろう。同じものを見たとしても、立場や着目点が異なれば、違って見えてくるものだ。

今回のタイトルネタは前回と同じく「合成脳のはんらん」(エスエフ世界の名作シリーズ 岩崎書店、1967年)である。筆者は、かなり前に原作のペーパーバックを入手した。邦訳で表紙にもあった、アメーバ状で一つ目にギザギザの歯がついた「合成神経細胞群塊」こと「ゴセシケ」が原作でどう書かれているのかが、ずっと気になっていたからだ。

なんと驚くことには、翻訳の「合成神経細胞群塊」は、“Cluster of synthetic neurons”であり、作られた生物は「ゴセシケ」ではなく「Frog」と呼ばれていた。よく見るとペーパーバック版の表紙(写真04)にカエルの絵が描いてある。
(塩田紳二)



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