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脳の異常興奮を引き起こすグリア物質「IGFBP2」、山梨大などが発見

マイナビニュース / 2024年8月15日 16時52分

画像提供:マイナビニュース

山梨大学、九州大学(九大)、慶應義塾大学(慶大)、東京大学(東大)の4者は8月9日、脳の異常興奮を引き起こす原因の1つとされる「グリア物質」として分子「IGFBP2」を見出したと発表した。

同成果は、山梨大大学院 総合研究部 医学域の小泉修一 教授(同大 医学部 薬理学講座/同大 山梨GLIAセンター兼務)、同 繁冨英治 教授、同 鈴木秀明 医学科学生(現・山梨県立中央病院 初期研修医)、同 木内博之 教授(同大 医学部 脳神経外科学講座/同大 山梨GLIAセンター兼務)、九大大学院 薬学研究院 薬理学分野/ライフイノベーション分野の津田誠 教授、慶大 医学部 先端医科学研究所 脳科学 研究部門の田中謙二 教授、東大大学院 医学系研究科 脳神経医学専攻 基礎神経医学講座 神経生化学分野の尾藤晴彦 教授らの共同研究チームによるもの。詳細は、英オンライン科学誌「Nature Communications」に掲載された。

脳は神経細胞と非神経細胞が半分ずつ占めていることが知られているが、後者の大半を占めるグリア細胞は、脳内外で異変が生じると速やかに応答し、性質を大きく変化させる特徴があり、近年の研究から同細胞の変化が、種々の脳疾患と深く関係していることがわかってきた。同細胞の一種「アストロサイト」は、傷害や炎症が生じると速やかに形態、遺伝子発現および機能を劇的に変化させ、まったく性質を変化させる(今回の研究では、このようなアストロサイトを「疾患関連アストロサイト」と定義)。同アストロサイトは、神経細胞を過剰に興奮させ、その傷害や細胞死を引き起こすことから、脳疾患の病因を解く鍵となる細胞として考えられるという。

疾患関連アストロサイトを特徴づける分子の1つに「P2Y1受容体」がある。同受容体は、てんかん、脳梗塞、アルツハイマーなど、種々の異なる病態モデル動物の同アストロサイトにおいて、共通して発現が増加することから、疾患横断的なバイオマーカーとも考えられている。しかし、同アストロサイトがどのようにして、これらの脳疾患を引き起こすのかはよくわかっていないという。そこで研究チームは今回、その役割解明に向け、人工的に同アストロサイトを誘導した遺伝子改変動物を作成して研究を行うことにしたという。

具体的には、P2Y1受容体をアストロサイトに過剰発現させた「疾患関連アストロサイト発現マウス」が作成され、調査の結果、以下の3点が判明したとする。

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