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木星・氷衛星探査機「JUICE」、8月20日と21日に月-地球フライバイを実施へ

マイナビニュース / 2024年8月16日 15時33分

今回の月-地球フライバイでは、JUICEは地球の真夜中側からまず月に接近し、月フライバイに伴って、地球が月の影に隠れるタイミングが生じる。地球は、木星に比べたら非常に弱く、周波数も低いが、「オーロラキロメータ波」と呼ばれる強力な電波を北極・南極の上空数千kmにおいて放っている。月フライバイのタイミングは、木星と氷衛星による電波掩蔽観測を、地球と月において試せる絶好の機会となるという。

また、JUICEにはレーダー装置「RIME」(9MHz)が搭載されている。月への最接近時には、この送信で電波掩蔽観測は阻害されるが、レーダー波はパルス的なので間の時間帯でなんとか観測を行えそうだという。また、最接近からしばらくしてRIMEの送信は止まることから、以下も試す予定としている。

RIMEの月面反射波を一緒に受ける。確認ポイントは「RIMEといっしょに受けて比較を行う」になる
RIME停止後、地球のオーロラキロメータ波とその反射波を狙う

さらに地球への最接近時には、アラスカに設置されている電離圏探査用の「HAARPレーダー」からJUICEに向けて電波を送信し、RIMEと共に受信して強度と方向探知の検証を行うという(JAXAのジオスペース探査衛星「あらせ」に載せているPPARCで開発された「プラズマ波動・電場観測器」を用いて、2023年末から予備試験が実施されてきた)。

そして地球最接近後は、探査機を回転させながら地球のオーロラ電波の連続観測を実施し、電波源方向を識別できるかどうかを検証するとしている。これができると、木星や氷衛星近傍の「どこに電波源があるか」「どう屈折・反射して届くか」を確認できるようになるとしている。

なお、今回の月-地球フライバイは、「氷衛星と木星で行う観測」の事前検証を行う貴重な機会であると同時に、地球のオーロラ観測などにおいて、新たな発見も期待されるという。また、地球からのオーロラ電波やHAARPレーダー電波は10MHzまでだが、「あらせ」も観測可能なことから、こちらの同時観測も予定しているとしている。
(波留久泉)



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