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東京医科歯科大、歯周病菌が関節炎を悪化させる仕組みの一端を解明

マイナビニュース / 2024年8月19日 10時55分

さらに、カスパーゼ11欠損マウス由来のマクロファージを用いたところ、同歯周病原細菌感染によるインフラマソームの活性化が抑制されたという。なおカスパーゼ11とは、主にグラム陰性細菌の膜成分「リポポリサッカライド」を認識する細胞質内センサの1つだ。以上の結果から、同歯周病原細菌はカスパーゼ11依存的にインフラマソームの活性化を誘導していることが示されたとしている。

またマウス関節炎モデルにおいても、カスパーゼ11欠損マウスでは、同歯周病原細菌感染による関節炎の増悪化(肢の腫れや滑膜内の細胞浸潤および肢内のIL-1β濃度上昇)は野生型マウスに比べて有意に減少したとする。この結果から、カスパーゼ11依存的なインフラマソームの活性化が同歯周病原細菌感染による関節炎の増悪化を制御している可能性が示唆された。

それに加え、同歯周病原細菌感染によるマクロファージへのインフラマソーム活性化は抗マラリア薬クロロキン、抗生物質ポリミキシンB、および抗CD11b抗体によって抑制できることも明らかにされ、これらの薬剤が、同歯周病原細菌感染による関節炎の増悪化も減弱させることを証明したという。

今回の研究成果により、歯周病原細菌によるインフラマソームの活性化が関節炎の増悪化を引き起こすという新たな知見がもたらされ、長年議論されている「歯周病と全身疾患」の関連について重要な情報を提供したとする。また、歯周病原細菌感染による関節炎増悪化メカニズムの一端が解明され、その増悪化を抑制することが可能な新たな治療薬の候補も提案された。研究チームはこれらの成果について、関節炎のみならず、アルツハイマー病などの歯周病原細菌と関連があるとされる、他の全身性疾患の治療法の確立にもつながることが期待されるとしている。
(波留久泉)



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