Windows Terminal ベスト設定 第16回「フォント指定」
マイナビニュース / 2024年8月19日 17時9分
Windows Terminalには、Cascadia Codeと呼ばれるOpenTypeフォントが付属する。このフォントは、Windows Terminalと同時に開発された、いわば「専用」フォントだ。オープンソース・プロジェクトのプロジェクト名としてはCascadia-Codeとなっている。しかし、この名称は、このフォントの1つのバリエーションであるプログラマ向け合字を持つフォント名でもあるため、ここでは、プロジェクトが提供するフォント全体を「Cascadiaフォント」と表記する。今回は、このCascadiaフォントを使って、Windows Terminalのフォント機能について解説する。ただし、フォント設定などには、OpenTypeの基本的な知識が必要になる。ここでは、まず、OpenTypeやその実装例としてのCascadiaフォントに関して解説を行い、次回、具体的な設定を解説することにする。
なお、検証には、Windows Terminal Ver.1.21.1772.0と、Cascadiaフォント2404.23を利用した。また、フォント関連では、独自の用語を使うことが多い。(表01)に簡単に用語をまとめておく。
OpenTypeとは?
フォント設定の意味を理解するために、Windows 11の標準フォント形式であるOpenTypeについて解説しておこう。ただし、ここでは、Windows Terminalのフォント設定で必要となる最低限の解説に止める。全体的な解説に関しては、MicrosoftのTypographyのページを参照していただきたい。
OpenTypeは、TrueTypeの後継となるアウトラインフォント形式である。最大の違いは、TrueType形式のアウトラインデータに加え、PostScript形式のアウトラインデータも扱えるようにしたもの。ユニコード対応であり、1つのフォントに65536個までのグリフを収容できる。また、フォントコレクション・ファイル形式を使うことで、複数のフォントを1つのファイルにまとめることも可能。
現在のOpenTypeの最新仕様は、今年(2024年)5月に更新されたOpenType 1.9.1である。
OpenTypeのアウトラインデータは、グリフの描画をベジェ曲線でつなげて行う。フォントファイル内では、グリフは、グリフ番号で管理され、ファイル内部のテーブルにより、ユニコードコードポイントとの対応を付ける。このような構造になっているのは、同じコードポイントでも形状が異なる場合や複数のグリフパターン(たとえば異字体など)があるからだ。このようにOpenTypeフォントファイルは、グリフデータと、各種のテーブルから構成されている。
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