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山田祥平のニュース羅針盤 第451回 アラン・ドロンさんの訃報から考える動画配信サービスの機微

マイナビニュース / 2024年8月20日 6時0分

画像提供:マイナビニュース

2024年8月18日(日)未明、フランスの映画俳優アラン・ドロン(Alain Delon)氏が亡くなったそうだ。88歳だったという。すでに引退されていたそうだが、その知名度は日本でも高かった。

個人的にも中学生、高校生のころに映画館やテレビの名画劇場で作品を見たのを覚えてはいる。特に「太陽がいっぱい」(ルネ・クレマン監督作品)は、そのストーリーをすっかり忘れているのに、ニーノ・ロータの音楽が今も頭の中で鳴る。この映画は1960年の作品で、同氏が大スターになるきっかけとなった。見たのは公開後10年以上たってからだった。当時の自分の年齢では、最初にこの映画を見たときには内容をよく理解できなかったというのはナイショの話だ。
○フランスの映画館では臨時コンテンツを上映

18日の夕方までには日本でも逝去のニュースが流れた。テレビでも同氏の逝去を悼む様子が報じられていた。フランスの映画館では同氏主演の名作映画をすぐに臨時コンテンツとして上映するというので、その公開スケジュールをチェックするファンの姿をとらえた様子も流れていた。

その一方で、日本のAmazon Prime VideoやNetflix、U-NEXTといった配信サービスはどうかというと、何ごともなかったように普段と同じだった。少なくとも亡くなった翌日の月曜日時点ではそうだった。

こういうときにこそ、ネット配信という機動力で、特集ページを組み、数々の名作を発見しやすく見れるようにしてほしかったところだが、そうはなっていなかった。物理的に観客を入れる既存の映画館ができることを配信サービスではできていないというのがちょっと意外だった。それとも、特集ページを組んでも、それほど利益につながらないという判断なのだろうか。加入していない顧客に、そのサービスのよしあしは伝わらないということもありそうだ。
○権利関係が複雑という事情もある

世界中の熱心なファンは訃報を聞いて、お盆の週が終わった日曜日の夜、購読している配信サービスでアラン・ドロンを検索し、かつての名画に涙したにちがいない。日本では、もしかしたら、アラン・ドロンの吹き替え俳優として有名な故・野沢那智氏の声を聴いて両人を偲んだ人もいるかもしれない。

映画については複雑な権利関係もあって、全作を並べて配信ということがなかなかできないという事情もある。実際、Amazon Prime Videoで確認しても、いわゆる見放題で配信されている映画はそれほど多くない。レンタルまたは購入だったり、別チャンネルでの配信のものも多い。

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