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順天堂大、高齢化社会に伴い増加中の「せん妄」を予防する薬剤を発見

マイナビニュース / 2024年8月20日 17時38分

101名(男性52名、女性49名、平均年齢81.5歳)にスボレキサントが、102名(男性45名、女性57名、平均年齢82.0歳)にプラセボが投与され、観察の結果、スボレキサント群のせん妄発症は16.8%(17/101)だったのに対して、プラセボ群のせん妄発症は26.5%(27/102)で、有害事象の発現は両群で同様だったという。

せん妄のサブタイプ別の追加解析では、興奮を伴わず、活動性が低下してうつと間違われやすい「低活動型」の発症は、両群で同程度だったのに対して(スボレキサント群5.9%[6/101]、プラセボ群4.9%[5/102])、興奮を伴い、手術や治療・看護行為の妨げとなるため、実臨床で常に問題になる「過活動型」+過活動型と低活動型の両方の要素を持つ「混合型」の発症は、プラセボ群と比較してスボレキサント群で低かった(スボレキサント群10.9%[11/101]、プラセボ群21.6%[22/102])。欠測の影響を評価するために補足的に行われた生存時間解析手法による解析でも、同様の結果が得られたという。

以上、せん妄高リスクの高齢入院患者において、スボレキサントのせん妄予防効果は、低活動型を含むせん妄全体では抑制しつつも有意差に至らなかったが、追加解析により過活動型および混合型ではせん妄抑制効果が示唆されたとした。

今回の結果から、スボレキサント投与での睡眠・覚醒リズム障害を改善することが、せん妄予防につながったことが考えられるとする。研究チームは今後、せん妄の病態機序のうち、今回の睡眠・覚醒リズム障害に加えて炎症や酸化ストレスも絡めた薬物療法の展開を考えているとした。せん妄を1回でも予防できればその分、認知症発症の減速や医療費の節減に貢献できることが見込まれ、社会貢献の高い領域としている。
(波留久泉)



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