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ヒクソン・グレイシーが決戦直前に山に籠った本当の理由とは? いま明かされる真実─。

マイナビニュース / 2024年8月22日 17時10分

──スパーリングはしないのか?
「今日はやらないが、ホイラーを相手にやる日もある。でも軽くだよ。私は追い込んだ練習はすでに終えて日本に来た。ここでやるべきことはフィジカル、メンタルの両面で最高の状態に自分を仕上げることだ。特に重要なのはメンタルだ」

──というのは?
「山を歩き、湖を泳ぎながら自然に接していると気持ちが落ち着くんだ。ここは、とてもいい場所だ。人の多いところにいるとストレスも生じる。でも、ここならリラックスして過ごせ闘いに向けての気持ちをつくることができる」

──試合が近づくにつれての精神的変化は?
「少しずつ感覚が研ぎ澄まされていく。自分が自然の一部に溶け込んでいくような感覚だ」

──緊張感は?
「それは、いまはない。私はリング上では機械と化す。感情は、すべて神に捧げる。やるべき準備をして闘う、それだけだ。自然に私はキスをする。すると自然が私にパワーを与えてくれるんだ」

ヒクソンにとって山籠もりは、特別な練習をする場ではなく、またファンの幻想を掻き立てるためのデモンストレーションなどでもなかった。闘いの前に自然に接し、メンタルを整える儀式だったのだ。
そして決戦2日前に下山し、10・11東京ドーム『PRIDE.1』で髙田延彦に完勝。以降もヒクソンは、日本のリングで圧倒的な強さを見せ続けていく。
しかし、そんな彼にも闘いの前にカラダと心を整え切れなかったことが実は一度だけあった─。

〈次回『ヒクソン・グレイシー危機一髪!『400戦無敗』の男がもっとも苦しんだ闘いとは?』に続く〉

文/近藤隆夫

近藤隆夫 こんどうたかお 1967年1月26日、三重県松阪市出身。上智大学文学部在学中から専門誌の記者となる。タイ・インド他アジア諸国を1年余り放浪した後に格闘技専門誌をはじめスポーツ誌の編集長を歴任。91年から2年間、米国で生活。帰国後にスポーツジャーナリストとして独立。格闘技をはじめ野球、バスケットボール、自転車競技等々、幅広いフィールドで精力的に取材・執筆活動を展開する。テレビ、ラジオ等でコメンテイターとしても活躍中。『プロレスが死んだ日。~ヒクソン・グレイシーvs.高田延彦20年目の真実~』(集英社インターナショナル)『グレイシー一族の真実 ~すべては敬愛するエリオのために~』(文藝春秋)『情熱のサイドスロー ~小林繁物語~』(竹書房)『ジャッキー・ロビンソン ~人種差別をのりこえたメジャーリーガー~』『柔道の父、体育の父 嘉納治五郎』(ともに汐文社)ほか著書多数。
『伝説のオリンピックランナー〝いだてん〟金栗四三』(汐文社)
『プロレスが死んだ日 ヒクソン・グレイシーVS髙田延彦 20年目の真実』(集英社インターナショナル) この著者の記事一覧はこちら
(近藤隆夫)



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