1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. IT総合

広島大、甘味カフェイン飲水が体内時計を大きく狂わせることを確認

マイナビニュース / 2024年8月21日 17時34分

次に、マウスへの甘味カフェインの投与が止められた結果、マウスは通常の明暗環境に合った夜行性の活動リズムを示したという。この結果から、中枢時計はカフェインの影響を受けずに明暗環境に合った時刻を維持している可能性が考えられたとする。また、今回の研究と似たような長周期の活動リズムの出現は、覚醒剤であるメタンフェタミンの飲水投与でも報告されていた。そこで、恒明条件下、中枢時計の破壊実験、カフェインの急性投与などの実験が行われた。すると、甘味カフェインによる活動リズム変化は、中枢時計非依存的であることが示されたとした。

以上の結果から、明暗環境に合った中枢時計と、甘味カフェイン飲水による長周期リズムが生体内で混在することで、末梢臓器に混乱が起きていることが予想されたという。体内時計は時計遺伝子によって駆動される分子時計によって制御されていることから、研究チームが開発した時計遺伝子を生物発光で撮影する測定方法を用いて、甘味カフェイン飲水により活動リズムが後退したマウスの末梢臓器の時計が計測された。その結果、時計遺伝子発現リズムの振幅低下、臓器間の位相の乱れが起きていることが見出されたとする。

今回の研究は、カフェインがマウスにとっても苦いことから、砂糖を混ぜることでマウスも沢山飲むのではないかという発想から始まったというが、実際には飲水量は増えず、それにも関わらず、今まで見られなかった活動リズムの大きな後退が起きたという。メタンフェタミン、カフェイン、そして甘味料は、脳内報酬系であるドーパミン神経を活性化させる。研究チームでは今後、ドーパミン神経に着目し、長周期の活動リズムの出現メカニズムに迫りたいと考えているとした。

厚生労働省によれば、1日400mg以上のカフェイン摂取、夕方以降のカフェイン摂取は、夜の眠りに影響しやすいことが指摘されている。今回の研究結果は、カフェイン摂取により、夜眠れなくなり、遅寝・遅起きな生活リズムになってしまう可能性が示唆されるだけでなく、カフェイン飲料への甘味の追加が、さらにその影響を悪化させることを示す結果と考えるとした。一方で、カフェインは体内時計の調節効果を強く持つことから、ベストな摂取タイミングを検討することも今後進めていくとしている。
(波留久泉)



この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください