のどの痛み、咳、鼻水……クーラー病かも? 予防と対策方法を解説【医師監修】
マイナビニュース / 2024年8月22日 8時30分
お盆休みが終わりましたが、このあとも猛暑日が続く見込みだといわれています。まだまだ冷房の使用が欠かせない日が続きそうですが、長時間使用していると「頭痛」や「倦怠感」など身体の不調を感じる人も多いのではないでしょうか。この症状は「クーラー病」「冷房病」と呼ばれています。今回は「クーラー病」の予防や対策方法について愛晋会中江病院の中路幸之助先生にお伺いしました。
○■クーラー病の症状は?
――クーラー病について教えてください。
夏場にクーラーが効いた部屋に長時間いると、体温調節がうまくいかなくなるなどして、身体にいろいろな影響が出てきます。このようなクーラーが身体に悪影響を及ぼす病気のことを総称して「クーラー病」と呼んでいます(もちろん、適切なクーラーの使用は熱中症の予防に重要です)。
「クーラー病」の原因として、「自律神経の失調」があげられます。その「自律神経の失調」を来す原因として、屋内外の大きな温度差があげられます。クーラーのよく効いた涼しい部屋と暑い屋外を何度も出入りしたりすることで、自律神経が疲弊し、そのバランス調整が出来にくくなります。クーラーの効いた部屋では、生理的に体温を維持するために血管が収縮し、一方で外の暑い環境では血管を拡張し熱が放散されます。このことが繰り返し行われることで自律神経が疲弊し、「クーラー病」が発症すると考えられています。このように、「クーラー病」は、「自律神経失調症」の一つであると言っても良いでしょう。
――クーラー病になってしまうと、どういった症状がでるのでしょうか?
自律神経の失調による症状のため、個人差があります。全身倦怠感、下肢の浮腫・しびれ、冷えや微熱、咽頭痛、鼻水、頭痛、咳などの感冒様症状、腹痛、嘔気、便秘・下痢などの胃腸症状など様々です。
クーラー病になると、四肢末端および内臓を含めた全身の血流が悪化し、身体が温まらず、加えて発汗しにくくなることで、疲労物質等が体内に貯留し、全身倦怠感や免疫力の低下を来すとされています。クーラーの設定温度の低い部屋で長時間過ごすと、室内の空気が乾燥しているため、上気道の粘膜が乾燥し、風邪に類似した症状が出現します。そして、乾燥によりバリア機能が低下した粘膜にウイルス・細菌が付着し感染症をおこして発熱などを認める場合があります。また、胃腸の機能は自律神経の支配を受けており、クーラー病により自律神経の調子が乱れると、同時に様々な胃腸症状を来すとされています。
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