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九大が毛髪からの細菌分離法を確立し分離菌を獲得、毛髪化粧品開発に期待へ

マイナビニュース / 2024年8月22日 18時45分

それらに加え、全分離菌の獲得傾向が、細菌種により異なることも発見されたという。そして、頻繁に分離可能な細菌種を「易分離微生物」、少ない培養条件でのみ分離された細菌種を「難分離微生物」と定義し、細菌種の分離可能性を初めて定量的に示せたとした。また、研究チームの先行研究で実施された菌叢解析の結果と照合すると、毛髪細菌の占有率と今回の研究による獲得細菌の相関が無いことが示され、易分離微生物と優占細菌は異なることが示唆されたとした。

また、獲得された毛髪分離菌から優占細菌種5種(C acnes subsp.defendens、C. acnes subsp.acnes、Staphylococcus epidermidis、S.caprae、Micrococcus luteus)を選択し、50種類の炭素資化性の評価が行われた。その結果、汗に含まれるグルコース(ブドウ糖)や皮脂の分解物である「グリセロール」だけでなく、ヘアケア化粧品に保湿剤として広く含有されている「マンニトール」の資化性が示されたという。特に、標準株と異なる資化性が示された結果として、M.luteus毛髪分離株はグルコースの、C.acnes subsp.defendens、C.acnes subsp.acnes毛髪分離株はマンニトールの資化性を有することから、毛髪環境で棲息に有利な資化性を獲得した可能性が考えられるとした。

今後、獲得した毛髪分離菌を用いて表皮細胞への添加試験を行い、ヒト細胞の遺伝子発現制御に対して標準株と分離株を比較することで、毛髪細菌が人体に及ぼす影響を鮮明に理解できることが期待されるという。今回の研究による毛髪細菌分離手法や毛髪分離菌は、健常な育毛に影響する毛髪細菌種の情報蓄積に活用され、将来特定の細菌種を調整するヘアケア化粧品の開発や、難治療性毛髪疾患の創薬開発につながることを期待しているとした。
(波留久泉)



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