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名工大、全固体LIBの電極・電解質界面をAIを用いたシミュレーションで解析

マイナビニュース / 2024年8月22日 18時56分

DLPによる1ナノ秒の分子動力学計算の結果を用いて、電子構造が可視化され、Li/LLZ界面近傍で、LLZ相のバンドが1.1ナノメートルにわたって折れ曲がっているという結果が得られ、空間電荷層の存在が確認されたとした。同層の形成は、Li金属からLLZ相に電子が移動し還元分解を抑制するため、固体電解質の安定性を向上させることにつながるとする。

さらに、界面におけるLi+交換反応速度もシミュレーションで定量化することに成功したという。LLZ相からLi相、Li相からLLZ相へのLi+の移動の活性化障壁エネルギーは160ミリ電子ボルト(meV)および88meVであり、非常に低い値が示されたとした。界面でのLi+の交換は、Li/LLZ界面では非常にスムーズであり、固体内のイオンの拡散が律速していることが定量的に確認されたとする。

今回の研究成果はLi/LLZ界面にとどまらず、多くの電池材料に当てはめることができるという。また、実験で得られる複雑なスペクトルの解釈に悩むことなく、直観的に界面で発生している反応も可視化でき、全固体LIBの設計のための研究を加速させることが期待されるとした。

また今回の成果は、負極と固体電解質のみではなく、正極と固体電解質の反応性評価にも用いることが可能だという。また、電極と固体電解質間ではしばしば副反応が発生し、コート材を導入するなどのプロセスが必要なことが経験的に知られているが、原子レベルでコート材がどのような役割を果たしているのかは、いまだに不明な点が多い。全固体LIBで経験的に用いられている技術やノウハウについても、体系的解明に近づくことが期待されるとした。体系的な界面設計指針が得られることで、膨大な組み合わせが存在する電極・電解質・コート材などの選定をシミュレーションやインフォマティクスで行うことが可能となり、電気自動車電源やスマートグリッド用電源となる安全かつ大容量全固体LIBの実現に結びつくとしている。
(波留久泉)



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