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明薬大など、バイオ医薬品の製剤でコストを削減できる新システムを開発

マイナビニュース / 2024年8月26日 16時5分

近年、細菌でも生産可能なラクダ科動物の重鎖抗体の可変部である「VHH抗体」をはじめとした低分子抗体が、新規創薬モダリティとして注目されているが、研究チームで構築したシステムを用いても、そうした低分子抗体の発現は通常では困難な状況だという。そこで今回の研究では、A.baumanniiの「Omp38」(グラム陰性菌の外膜に存在する膜輸送タンパク質)の「ペリプラズム」(グラム陰性菌の外膜と内膜の間の領域)への移行シグナル(ペリプラズムにタンパク質を発現させるためのシグナル)を、発現タンパク質に導入。その結果、VHH抗体の菌体外生産が実現されたとした。

それにより、機能的でエンドトキシン混入量の極めて少ない、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のスパイクタンパク質に特異的に結合するVHH抗体(0.26EU/mg)および、2022年に関節リウマチに対する国内初のVHH抗体製剤として承認された「オゾラリズマブ」(0.99EU/mg)を培養上清から精製することに成功したという。オゾラリズマブは30mgを皮下投与で用いられるため、今回の研究では粗精製品にも関わらず、各国薬局方が定める1時間あたり5EU/kg以下に十分適合しているとする。

以上のことから研究チームは、細菌を用いても安全にバイオ医薬品を生産できる新規組み換えタンパク質発現システムを構築できたとする。そして今回の研究成果は、高騰する医療費の削減につながることが期待できるとしている。
(波留久泉)



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