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名言ななめ斬り! 第83回 鴻上尚史の名言「奇跡は起こらない」-なぜ鴻上さんの人生相談は心に刺さるのか

マイナビニュース / 2024年8月27日 8時0分

どうして、冷静に受け止められるのか。それは、鴻上さんのアドバイスどおりにしたからといって必ず役がつく、女優として開眼することが保証されるほど、単純な世界ではないからだと思うのです。
○「奇跡を信じなくなったら、生きていてもつまらない」

鴻上さんは、歌手や俳優志望の若者と飲み会をし、みんなの夢が叶ってまたお酒を飲めるといいなと願いますが、「それは奇跡」とはっきり書いています。その一方で「奇跡を信じなくなったら、生きていてもつまらない」とも書いています。

「奇跡はない」と思いこんでしまうと、夢破れた時に「自分はダメな人間なんだ、それなのに、分不相応なことを望んでしまった」と自分を責めたり、何かに挑戦する他人に対して冷笑的になり、人間関係を作れなくなる可能性があります。けれども、「奇跡はある」と信じすぎると、今度はいつ夢をあきらめるかの引き際がわからなくなって、社会活動を営めなくなり、孤立してしまうおそれがあります。人が孤立せず、健康的に生きていくためには、「奇跡がない」と思いつつも、「だからといって、奇跡は絶対におきないわけではない」という反対の気持をバランスよく持つことが大事なのではないでしょうか。

考えてみると、演劇や映画といったものを冷静に見すぎると「こんなこと、ありえないよね」で終わってしまう。けれど、私たちが常にフィクションを求めるのは、心のどこかで奇跡を待ちわびているからではないでしょうか。鴻上さんは奇跡と現実の橋渡しをするする道先案内人なのかもしれません。

仁科友里 にしなゆり 会社員を経てフリーライターに。OL生活を綴ったブログが注目を集め『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。「間違いだらけの婚活にサヨナラ」(主婦と生活社) が異例の婚活本として話題に。「週刊女性PRIME」にて「ヤバ女列伝」、「現代ビジネス」にて「カサンドラな妻たち」連載中。Twitterアカウント @_nishinayuri この著者の記事一覧はこちら
(仁科友里)



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